市場課題|改変動物の作製負担と酵素の使用料に課題

改変マウスの作製が研究の負担
病気や薬の研究に欠かせない遺伝子改変マウスは、作製に手間と時間がかかります。これまで主流のマイクロインジェクション法では、受精卵にゲノム編集の道具を1個ずつ注入するため、専用の装置と熟練した技術が必要でした。装置と人材をそろえられない研究室ほど、実験に必要なマウスを用意しにくくなる恐れがあります。
酵素の使用料が導入の壁
ゲノム編集で広く使われる酵素Cas9は、産業に使う場合のライセンス費用(技術の使用料)が高額です。使用の条件は国ごとに異なり、製品を世界へ広げるほど対応の手間も増えます。このままでは、ゲノム編集を品種改良に取り入れられる企業が限られてしまう恐れがあります。
他にも、オフターゲット効果(狙っていない遺伝子が書き換わる現象)、採卵鶏の生産で生まれるオスのひよこの殺処分、ゲノム編集食品への理解の不足、といった課題があるといわれています。
- マイクロインジェクション法顕微鏡で見ながら、ガラスの極細の針で受精卵や細胞に物質を直接注入する方法。遺伝子改変動物の作製で広く使われてきたが、受精卵を1個ずつ扱うため、専用の装置と熟練した技術を要する。


