ソフトケア「眼底血流の画像化」を開発

ソフトケア有限会社

ソフトケア「眼底血流の画像化」を開発|研究領域=眼底の血流を・画像化する/強み=注射なしで・血流を測る/将来性=神経血管連関の・解明を目指す

企業紹介|ソフトケアとは?

眼底の血流の分布を、近赤外光で画像として捉える「眼底血流の画像化」。ソフトケア有限会社は、その装置を製品化している、九州工業大学発のヘルスケア系ディープテック企業です。眼底の血流を画像にする眼科用の装置「LSFG-NAVI」を、眼科の臨床や研究の現場へ提供しています。

キーワード「眼底血流の画像化」

「眼底血流の画像化」は、眼球の奥の眼底にレーザーを当て、血流の速さの分布を画像で示す手法です。特徴は、レーザー光が干渉してできる斑点模様(スペックル)の時間変化から、血流の分布を毎秒30コマで描ける点にあります。眼科の研究や診療の現場で、視神経乳頭などの血流の変化を比べられます。

市場課題|色素を使う造影検査は注射と時間が要る

現状の造影検査の課題|現状は、色素の注射と時間が要る|色素の・注射が必要/検査に・時間がかかる

造影検査は色素を注射する

眼底の血流を調べる色素を用いる造影検査は、静脈への色素の注射を必要とします。蛍光眼底造影やインドシアニングリーン造影が代表的な検査で、いずれも色素を静脈に投与し、5〜20分の撮影が必要とされています。吐き気や局所の刺激、アレルギー反応などの副作用のおそれがあり、妊娠中は一般に使われません。

検査に時間と熟練者が必要

色素を用いる造影検査は、検査に時間がかかり、熟練した検査者も要ります。得られるのは、色素が血管に出入りする時間から求める、循環の指標です。

他にも、色素の漏れによる細い血管の見えにくさ、血管の層の判別の難しさ、主に二次元の画像情報にとどまること、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 蛍光眼底造影蛍光色素のフルオレセインを静脈に注射し、眼底の血管を通る様子を連続して撮影することで、血管を通る色素の流れと、色素の漏れを調べる検査。

ソフトケアの強み|「眼底血流の画像化」を開発

ソフトケアが「眼底血流の画像化」を開発|現在は、近赤外光で血流の分布を提供|近赤外光で・血流を画像化/毎秒30コマで・動画として観察

近赤外光で血流を画像化

色素を用いる造影検査は、色素の静脈注射が必要で、検査に時間もかかる課題があります。

LSFG(レーザースペックル血流画像化法)とは、レーザーで生体を照らしたときにできる斑点模様の変化から、血流の分布を画像にする手法です。血球が速く動く部分ほど斑点模様の変化も速くなるため、各点の斑点模様の変化の大きさを地図状に表示すると、血流の速さの分布が分かります。ソフトケアの「LSFG-NAVI」のレーザーは近赤外光で、通常の観察光に比べて目への刺激が少ないとされています。レーザースペックル法は、非接触で非侵襲の手法です。色素の注射を要さずに眼底の血流を調べられる点が、造影検査との違いです。

血流を毎秒30コマで観察

色素を用いる造影検査は、色素が血管に出入りする時間から循環を評価する方法で、撮影に5〜20分を要します。

LSFG-NAVIの血流マップは、750×360ピクセルで、毎秒30コマの連続観察が可能です。測定時間は4秒または6秒、画角(一度に撮影できる範囲)は最大21度で、結果は画像、動画、数値データのファイルとして出力できます。視神経乳頭から黄斑部(視野の中心を担う部分)付近までを1回の測定で得られ、脈拍による血流の変動も確認できる点が特長です。測定部位がずれても、撮影範囲から外れるまで測定を続けられます。血流は絶対値ではなく相対値で示され、周囲の部位や前回の測定との違いを、割合で比べられます。

FrontJournalの解説
  • 視神経乳頭眼底で、視神経が眼球から出ていく部分。網膜の血管が出入りする場所でもあり、緑内障の研究で血流が測られる。

「眼底血流の画像化」の未来|応用範囲を眼底から神経血管連関の理解へ

眼底血流の画像化が変える未来|今後は、神経と血管の関係の理解へ|皮膚や動物の・研究に展開/点滅光への・血流反応を測る/神経血管連関の・解明を目指す

皮膚や動物の研究にも展開

同社の血流画像化は、眼底に限らず、皮膚や動物の研究用の製品もあります。皮膚用の「LSFG-ANW」は教育・研究用で、小動物用の「LSFG-Micro」と、動物の眼用の「LSFG-MRC」もあります。いずれも、レーザースペックル血流画像化法に基づくLSFGの製品群です。眼科用の「LSFG-NAVI」は、2008年1月に医療機器の製造認証を取得し、同年3月から販売されています。

点滅光への血流反応を測定

「LSFG-NAVI Flicker System」は、点滅光(フリッカー)の刺激に対する眼底の血流反応を調べる製品です。点滅光が視細胞を刺激すると、血管の抵抗が下がり、血流が増えるとされます。刺激の前、刺激中、刺激後を通じて、血流の上昇を測定できる点が特長です。反応は被検者の状態によって異なり、自律神経の状態に左右されるとされています。

神経血管連関の解明を目指す

神経の活動と血流の連動(神経血管連関)の理解を、眼底の血流反応から進めることを、同社は目指しています。この仕組みの応用として、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経疾患の早期発見が挙げられています。脳卒中後の回復の確認や、血管の調節に働く薬の評価も、応用の候補です。反応が時間帯や疲れの状態によって変わる例もあります。

会社概要|九州工業大学発のソフトケア有限会社

九州工業大学の研究から創業

ソフトケア有限会社は、1995年11月7日に創業しました。九州工業大学の藤居研究室で研究された血流画像化技術を基に、大学発ベンチャーとして設立されました。皮膚用と眼科用の血流画像化システムを製品化し、国内の医療・研究機関で利用されつつあります。代表取締役は新垣淑一郎氏です。

医療機器の認証と許可を取得

同社は、2003年12月に医療機器製造業の許可を、2007年8月にISO13485(医療機器の品質管理の国際規格)の認証を取得しました。米国では、LSFG-NAVIが2015年11月9日に米国食品医薬品局(FDA)へ受理され、2016年5月12日に実質的同等と判定されました。同社の沿革には、2018年3月26日付で経済産業省と中小企業庁の「はばたく300社」の受賞が記載されています。

拠点は福津市に移り変わった

1995年11月に東京都練馬区で創業し、1998年4月に兵庫県姫路市へ移転しました。2000年1月に宗像支店、2003年8月に飯塚支店を設立しています。2009年11月に本店を飯塚市へ、2012年9月に福津市へ移転し、現在の本店は福岡県福津市です。

会社情報

会社名ソフトケア有限会社(Softcare Co., Ltd.)
所在地〒811-3201 福岡県福津市八並243-5
設立1995年11月7日
代表新垣 淑一郎(代表取締役)
事業眼科用などの血流画像化装置(LSFG)の製造・販売。眼科用は眼底血流画像化装置「LSFG-NAVI」
技術領域レーザースペックル血流画像化、眼底血流、眼科用医療機器
URLhttps://www.softcare-ltd.co.jp/
出典:ソフトケア公式サイト(会社案内、LSFG FAQ、Products、Topics)、米国FDA 510(k)データベース(K153239)、眼循環の総説(Evaluating ocular blood flow)。確認日2026年10月15日

編集後記|FrontJournal編集部より

眼底の血流を、色素の注射なしで画像にする装置を、2008年から医療機器として販売しています。装置は眼科用の「LSFG-NAVI」で、眼底の血流を毎秒30コマの動画で観察できます。創業から30年を超え、大学の研究成果を装置として届け続けてきた企業です。

神経疾患への応用は、同社が可能性として挙げている段階です。眼底血流の画像化そのものは、すでに医療機器として販売されています。どの疾患で臨床的な意義が示されるかが、今後の焦点です。

眼底血流の画像化が、診療や研究の現場でどう活用されていくのかを、見守りたいと思います。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

この企業の方へ

内容に誤り・更新が必要な点があれば、可能な限り速やかに修正します。お気づきの点はお問い合わせまでご連絡ください。

掲載情報の修正・写真の追加・更新はこちら

この企業について、
もっと深く知りたい方へ

パートナーシップ・お問い合わせはこちらから。