ニュース紹介
「約60年ぶり2例目の単純立方構造の単体結晶を発見~電子線を用いた結晶生成により不安定な結晶構造の観察を実現~」
北海道大学低温科学研究所の榊原雅也博士、山﨑智也准教授、木村勇気教授らの研究グループは、鳥取大学の灘浩樹教授、北海道大学大学院工学研究院の國貞雄治准教授と共同で、高分解能の透過電子顕微鏡(TEM)を用いて、電子線照射による化学反応で銀結晶が生成する様子を原子レベルで直接観察しました。TEM内でヨウ化銀(AgI)に電子線を当てて分解したところ、通常の銀がとる面心立方構造とは異なる「単純立方構造」の銀ナノ粒子ができることを突き止めました。単純立方構造をとる単体は、これまで1966年に確認された放射性元素ポロニウムの低温相に限られていました。
この単純立方構造の銀は、通常の銀より高い化学反応性を示し、大気圧の100億分の1という高真空でも酸化が進みました。また、分子動力学シミュレーションと第一原理計算から、この構造は銀だけが孤立した状態では安定でなく、ナノサイズ特有の表面や界面の効果で安定化されている可能性が示されました。成果は2026年10月21日付で米国化学会の学術誌「Nano Letters」に掲載されました。
出典:科学技術振興機構(JST) 2026年10月21日 プレスリリース(掲載誌:Nano Letters/DOI: 10.1021/acs.nanolett.6c03635)
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20261021-4/index.html



