2026.09.16 東京大学 元発表:2026.09.15

東京大学、光で読むバーコードビーズを毎時100万個超で作製

ニュース紹介

「光配列バーコードビーズの大規模作製法を開発」

東京大学先端科学技術研究センターの太田禎生教授、江口晃弘助教らの研究グループは、科学技術振興機構JST)との共同発表として、光の配列でバーコードを表す微小ビーズの大規模作製法を開発したと発表しました。

研究グループは、フローリソグラフィーを用いて帯構造を持つ約60µmのビーズを連続して作製し、各帯にDNAを使ってさまざまな色と明るさの組み合わせを書き込みます。生産速度は毎時100万個超で、1つの帯あたり64色のコードを実測しました。

設計上は64の5乗=10億通り超のバーコードが可能で、実験では3万5,155種類のバーコードを確認しています。11日後に撮像し直しても高い精度で照合できました。研究グループは、異なる薬の候補や生体分子をそれぞれのビーズに載せて追跡する技術への発展により、高スループットな創薬スクリーニングや生命科学研究への応用が期待されるとしています。本成果は国際学術誌『Advanced Science』に現地時間2026年9月14日に掲載されました。

出典:科学技術振興機構(JST)・東京大学 2026年9月15日 プレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260915/index.html

FrontJournalの解説

この研究分野について

創薬生命科学の実験では、多数の候補物質生体分子を一度に扱います。このとき、小さな粒(ビーズ)に物質を載せ、粒ごとに目印を付けておくと、混ぜたまま反応させても、あとでどれがどれか見分けられます。

複数の項目を一度に測るこうした手法は、マルチプレックス測定と呼ばれます。見分けられる目印の種類が多いほど、一度に扱える物質の数が増えます。

①目印の種類を増やしにくかった

従来の方式では、ビーズそのものを色ごとに作り分ける必要があり、種類を増やすほど作製の手間が増えます。扱える物質の数は、目印の種類の数で頭打ちになります。

一度に多くの候補を試すには、目印の種類を大きく増やしつつ、ビーズ自体は速く安く作れる方法が求められていました。

②共通のビーズへ後から書き込む

研究グループは、フローリソグラフィー(流れの中で光を当てて微小な形を作る方法)で、帯が並んだ約60µmのビーズを連続して作ります。ビーズの形は共通で、区別はあとから各帯にDNAで色と明るさの組み合わせを書き込んで付けます。

生産速度は毎時100万個超、1つの帯で64色を実測しました。設計上は10億通りを超え、実験では3万5,155種類を確認しています。11日後に撮り直しても高い精度で照合でき、長い実験の途中でも取り違えにくい仕組みです。

編集部からひとこと

ビーズを作り分ける」のではなく「共通のビーズに後から書き込む」という順序の入れ替えが、今回の要点です。作製の速さ目印の多さは両立しにくい関係にありましたが、工程を分けることで両方を満たしています。創薬スクリーニングのように候補数が成果を左右する分野では、一度に扱える数の上限が上がる意味は大きいといえます。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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