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「NMRと輸送測定で明らかにした抵抗スイッチングの熱的自己組織化」
東京理科大学先進工学部の伊藤哲明教授、小内貴祥助教、同大学大学院の石井璃空氏、物質・材料研究機構(NIMS)の大池広志主任研究員、東京科学大学の賀川史敬教授、理化学研究所開拓研究所の加藤礼三研究員らの共同研究グループは、有機伝導体の抵抗スイッチング状態において、金属相と絶縁相が共存することを1H-NMR測定により明らかにしました。
相関電子系における揮発性の抵抗スイッチング現象は、電流を流すと抵抗が大きく変わる現象で、基礎物理とデバイス応用の両面から注目されています。一方、その多くは基板上の無機薄膜で研究されてきたため、基板への放熱や金属-絶縁体転移が幅広い温度範囲に広がることが絡み合い、ジュール熱が生む非線形な熱効果を切り分けて理解することは容易ではありませんでした。
本研究では、急峻な一次金属-絶縁体転移を示し、周囲との熱結合が弱いバルク有機伝導体を用いました。その結果、周囲温度を下げても試料の大部分が転移温度付近に保たれる「温度固定効果」と、電流を減らすと反比例して電圧が上昇する「逆オーム則」が現れることを見出しています。これらはジュール発熱と放熱の釣り合いのもとで金属相と絶縁相の割合が自律的に調整される「熱的自己組織化」によって生じることを明らかにしました。
出典:東京理科大学 2026年8月31日 プレスリリース
https://www.tus.ac.jp/today/archive/20260831_0131.html


