デンタルアロー「歯科情報プラットフォーム」を開発

株式会社デンタルアロー

デンタルアロー「歯科情報プラットフォーム」を開発|研究領域=歯科の情報を・一か所で検索/強み=製品検索と・手順確認を提供/将来性=学びを支える・場へ広げる

企業紹介|株式会社デンタルアローとは?

歯科医師と歯科メーカー、大学の研究を結び、歯科医療の情報を届ける仕組みとして、注目を集める「歯科情報プラットフォーム」。株式会社デンタルアローは、その社会実装を目指す、北海道大学発の情報系ディープテック企業です。歯科専門家向けの情報サイト「OralStudio」で、1万2千点を超える製品情報の提供から、歯科の学習支援までを手がけています。

キーワード「歯科情報プラットフォーム」

「歯科情報プラットフォーム」は、歯科医療に関わる製品情報や研究、学習の機会を、1つのサイトにまとめて提供する仕組みです。保存修復(傷んだ歯を詰め物などで修復する治療分野)やインプラントなどの分類から製品を探せるため、メーカーごとの資料を個別に開く手間を減らせます。歯科医師は、必要な情報を一か所で確認できます。

市場課題|歯科製品の情報収集と手順確認の負担

現状の製品情報収集の課題|現状は、製品情報が多く手順も覚えきれない|製品情報の・収集に手間/使用手順が多く・覚えきれない

製品情報の収集に手間がかかる

歯科医療で使う材料や機器は、メーカーごとに数多くの製品が発売されています。診療に合う製品を選ぶには、各社の情報を集めて確認する作業が欠かせません。同社は、この情報収集の負担を減らすことを、サービスの目的に掲げています。

使用手順を全て覚えきれない

接着性レジン(歯と詰め物を接着する樹脂系の材料)の治療手順は、補綴物(歯を補う詰め物や被せ物)の素材、支台歯(被せ物を支える歯の土台)の素材、製品の組み合わせの数だけ存在します。全ての手順を記憶するのは困難です。手順を誤ると、詰め物が外れる原因になるといわれています。

他にも、メーカーが発信する情報には偏りがあると感じる声があること、診療の合間に情報収集の時間を確保しにくいこと、第三者の立場の評価を得にくいこと、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 接着性レジン歯の表面と、詰め物や被せ物を接着するために使う樹脂系の材料である。接着する相手の素材や製品によって手順が異なり、手順の誤りは詰め物が外れる原因となる。

デンタルアローの強み|「歯科情報プラットフォーム」を開発

デンタルアローが「歯科情報プラットフォーム」を開発|現在は、製品の横断検索と手順確認を提供|メーカー横断で・製品を検索/接着性レジンの・手順を横断確認

メーカー横断で製品を探せる

メーカーごとのカタログや資料を個別に確認する方法では、製品を探して比べるのに手間がかかります。

同社が運営する情報サイト「OralStudio」は、メーカーをまたいで1万2千点を超える製品を登録した、製品情報データベースを備えます。保存修復、インプラント、CAD/CAM(コンピューターで設計し、削り出して補綴物を作る技術)などの分類から、製品を探せる構成です。同じサイトには、歯科用語の辞書や歯科ニュースもあります。会員の歯科医師が製品を実際の診療で使った臨床評価も、会員どうしで共有される仕組みです。歯科医師は、製品の情報収集にかける時間を減らせる点が利点です。

手順をメーカー横断で確認

製品ごとの添付文書(製品に付く使用説明書)や手順書を読み比べる方法では、組み合わせの多い手順を確認しきれません。

同社が2018年に無料で公開したアプリ「Bonding:OS」は、国内で発売されている主要な接着性レジン系製品の使用方法を、メーカー横断で確認できる点が特徴です。臨床例、補綴物の種類、支台歯の状態ごとに、手順を絞って表示する構成です。各メーカーのテクニカルガイドや添付文書へのリンクも備え、製品情報は随時更新されます。同社は、手順の誤りで詰め物が外れる事態を防ぐことを、このアプリの目的としています。手順をその場で引けるため、歯科医師は確認漏れを減らせる点が利点です。

FrontJournalの解説
  • 臨床評価製品を実際の診療で使った歯科医師が、使用感や結果を評価すること。OralStudioでは評価の結果を会員どうしで共有でき、製品選びの参考にできる。

歯科情報プラットフォームの未来|学びを支える場へ

歯科の学習支援が変える未来|学びを支える場へ、サービスを広げる|AI機能付きの・学習基盤を公開/国試対策netで・教員が進捗確認/学びを止めない・基盤を目指す

AI機能を備えた学習基盤

2026年10月1日に、同社は独自のLMS(学習管理システム)「OralStudio Lumina」を公開しました。これは、「OralStudio」の学習用サービスを全面的に刷新したものです。基礎から応用までの動画コンテンツに加えて、AIによる学習の支援機能を備えます。製品情報の提供から、歯科医療の学びを支える場へと、サービスの範囲を広げています。

国試対策を支えるEラーニング

「国試対策net」は、歯科医師と歯科衛生士の国家試験対策を支えるEラーニング(インターネットを使う学習)で、15年以上の歴史があるサービスです。歯科衛生士の養成校向けには、学生がスマートフォンで過去問題を演習し、教員がパソコンの管理画面で学習の進み具合を確認できる形を用意しています。管理画面は、学校全体、学生別、分野別に学習状況を見られる画面です。教員は、学生の学習の遅れや停滞に、早く気づけるようになります。

学びを止めない基盤を目指す

同社は、国家試験の合格率だけでなく、入学した学生全員が歯科衛生士として臨床で活躍することを目指すとしています。日々の見えないつまずきを見逃さず、途中で学びを止める学生を支える考えです。学生は「学ぶ」ためにアプリを使い、教員は「気づく」ために管理画面を使う、2つの視点を1つの仕組みでつなぎます。教員が必要な支援へ早くつなげられるようにする狙いです。

会社概要|デンタルアローの事業内容・設立背景

北海道大学発として設立

同社は、2003年12月24日に、北海道大学発のベンチャーとして設立されました。代表の小城賢一は、北海道大学を卒業した歯学博士で、2002年に同大学の大学院へ進み、翌2003年に起業しています。2026年4月1日には、北海道大学病院の歯科センターで臨床准教授に就任しました。理念として、社員それぞれの専門性を融合し、世の中の役に立つサービスを展開することを掲げています。所在地は札幌市東区で、社名の「アロー」は、ベクトル(向きと大きさを持つ量)を意味します。

事業の広がり

コンサルティング事業は2006年に、「OralStudio」と「国試対策net」は2008年に始まりました。「OralStudio」での製品の臨床評価は2012年、介護事業は2014年に始まっています。2018年には、アプリ「Bonding:OS」を公開しました。

研究受託から介護まで手がける

事業内容は、コンサルティング、委託研究の受注、医療用機械機器や歯科治療補助道具の開発・販売、ITによる情報提供サービス、介護事業です。「OralStudio」の会員登録は、現在は歯科医師に限られています。介護事業では、24名が入居できる「さっぽろ元町あかりの里」を運営しています。

会社情報

会社名株式会社デンタルアロー(DentalArrow Inc.)
所在地北海道札幌市東区北二十一条東20丁目2番21号
設立2003年12月
代表小城 賢一
事業歯科情報サイト「OralStudio」の運営、コンサルティング、Eラーニング「国試対策net」の提供、委託研究の受注、医療用機械機器・歯科治療補助道具の開発・販売、介護事業
技術領域歯科情報プラットフォーム。接着性レジン系製品の手順確認アプリ。AI機能を備えた学習管理システム
URLhttps://www.dentalarrow.co.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

歯科医療では、診療に使う製品の数が多く、手順も製品ごとに異なります。情報を探す時間と手順を確かめる手間は、診療そのものに使える時間を左右する要素です。診療の準備にかかる時間が減れば、その分を患者と向き合う時間に充てられます。

デンタルアローの特徴は、メーカーをまたいで探せる製品情報と、手順を確かめるアプリを、歯科医師である代表が率いる会社が提供している点です。情報サイト「OralStudio」は2008年に始まり、現在も運営されています。製品情報の提供から学習を支える場へと広がる展開にも、目が向きます。歯科医療の現場で、情報を探す時間がどこまで短くなるかが今後の注目点です。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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