市場課題|高感度な磁気計測は使える場所が限られる

高感度磁気計測は大型装置頼み
微弱な磁場を測る従来の超高感度磁気センサは、冷却が必要なため、装置が冷蔵庫ほどの大きさになります。冷却に使う液体ヘリウムの補充などで、維持費が月に数百万円単位かかる場合もあります。そのうえ外部の磁場を遮る磁気シールドの中でしか測れず、工場や屋外への設置は困難です。
感度を上げると雑音も拾う
工場の異物検査では、磁気センサの感度を上げるほど、モーターなどが出す磁気の雑音まで拾ってしまう点が課題です。原料に混ざる小さく薄い金属片は、主流のX線や渦電流(金属の中に生じる渦状の電流)を使う検査では見つけにくいとされています。磁気センサで捉えようとしても感度と使いやすさを両立しにくく、異物の見逃しによる製品の自主回収が懸念されます。
他にも、海中や地下で衛星測位(GNSS)が使えず位置を把握しにくいこと、海底の磁気計測に複数の船舶を要することといった課題があるといわれています。
- 磁気シールド外部から入り込む磁場を遮るための部屋や容器である。磁場を通しやすい金属で囲み、地磁気や周囲の機器が出す磁場を内部に届きにくくする。微弱な磁場を測る装置の多くは、この中に置いて使う。


