株式会社Woldy|衛星測位とWi-Fiで犬や猫の居場所を確認するGPS見守りデバイスを開発

株式会社Woldy(ウォルディ)

Woldy「GPS見守り首輪」を研究|研究領域=衛星測位とWi-Fiによる位置情報/強み=約35グラムの防水デバイス/将来性=迷子掲示板で地域へ広がる捜索

企業紹介|Woldyとは?

離れてしまった犬や猫を早く見つける手がかりとして、注目を集める「GPS見守り首輪」。株式会社Woldyは、その社会実装を目指す、ペットテック(ペットの飼育に情報技術を取り入れる領域)系のディープテック企業です。スマートフォンで居場所を確認できるGPS見守りデバイス「いぬなら / ねこなら」を、犬や猫と暮らす家庭へ提供しています。

キーワード「GPS見守り首輪」

「GPS見守り首輪」は、人工衛星の電波とWi-Fiの電波から割り出した現在地を、通信回線でスマートフォンへ送る小型の端末です。特徴は、地図の上で移動の跡をたどりながら、決めておいた範囲を出たときに通知を受け取れる点にあります。窓から猫が出てしまったときも、探し始める場所をその場で絞り込めます。

市場課題|迷子になった犬や猫を探す手がかりが乏しい

現状のペットの迷子の課題|現状は、居場所が分からず捜索が長期化/探す手がかりが乏しく長期化/マイクロチップは居場所が不明

迷子の犬猫は飼い主に戻りにくい

犬や猫が家庭から離れてしまうと、飼い主のもとへ戻るまでの道のりは長くなります。環境省の集計では、令和6年度に自治体が引き取った犬と猫は39,409頭(飼い主からの引取を含む)で、このうち飼い主へ返還されたのは6,855頭でした。発見が遅れるほど動き回れる範囲は広がり、捜索は長期化しやすくなります。

身元の確認だけでは居場所が不明

飼い主を特定する仕組みは整ってきましたが、探している間の居場所までは分かりません。マイクロチップ(皮下に入れる、識別番号を記録した小さな電子標識)は、2022年6月から販売業者に装着と登録が義務づけられました。ただし番号を読み取れるのは保護された後であり、発見までの時間を縮める用途には向きにくい仕組みです。

他にも、夜間や早朝にまで及ぶ捜索の負担、貼り紙や近隣への聞き込みにかかる手間、保護した人の情報が地域ごとに分かれる状況、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • マイクロチップ識別番号を記録した小さな電子標識を皮下に入れる仕組みを指す。保護した人が読み取り機で番号を確認し、環境省のデータベースに登録された飼い主の情報と照合する。

Woldyの強み|「GPS見守り首輪」を開発

Woldyが「GPS見守り首輪」を開発|今後は、地図で居場所の確認が可能に/衛星とWi-Fiを組み合わせ測位/IP68の防水で毎日つけられる

衛星測位で居場所を地図に表示

衛星を使う位置測定は、建物の中や街路樹の下では電波が弱まり、現在地を取り違えやすくなります。

GPS(人工衛星の電波で現在地を割り出す仕組み)とWi-Fiの電波を併用するのが「いぬなら / ねこなら」の測位方式です。屋外では衛星の電波を使い、誤差はおよそ3メートル以内で位置を求めます。位置を取り直す間隔は最短30秒まで縮められ、地図の上で移動の跡をたどれます。あらかじめ安全エリアを決めておけば、そこを出たときにスマートフォンへ通知が届く仕組みです。探し始める場所と時刻がはっきりするため、当てもなく歩き回る時間を減らせます。

小型防水で毎日つけられる

屋外で身に着ける電子機器は、雨や水濡れに弱く、こまめな充電のために取り外す手間もかかります。

本体は32×55×17ミリ、重さは約35グラムで、水深1.5メートルに30分沈める試験に対応するIP68の防水性能を備えます。電池は1日8時間の外出という条件で約72時間(およそ9日分)動き、USB-Cの端子でおよそ2時間で充電できる設計です。内部の複数の加速度センサーが動きの大きさを読み取り、位置情報と合わせて日々の行動の変化を記録します。雨の日の散歩でも付けたままにできるため、いざというときにすぐ居場所を確認できるようになります。

FrontJournalの解説
  • 加速度センサー物体の速度が変化する度合いを測る部品を指す。向きや揺れの大きさを電気信号に変え、歩く、走る、休むといった動きの違いを見分ける。位置情報と組み合わせると行動の記録に使える。

GPS見守り首輪の未来|家庭から地域の捜索へ

位置情報で見守るペットが変える未来|家庭から地域へ捜索が広がる/家族で同じ地図を共有/迷子掲示板がSNSの投稿を照合/日常の見守りとして定着

家族で居場所を共有できる

「いぬなら / ねこなら」は、すでに家庭で使える見守りの道具として販売されています。専用アプリは家族を招待でき、複数の犬や猫をまとめて見守る設定にも対応します。自宅のWi-Fiを登録しておけば、在宅中は通信を抑えて電池の持ちを伸ばせる仕組みです。誰か一人が気づけば全員が同じ地図を見られるため、家族で手分けして探せます。

迷子情報を地域へ広げる

同社は、端末を身に着けていない犬や猫まで捜索の輪を広げる取り組みを進めています。無料で使える「迷子掲示板」では、写真と特徴と場所を入力して情報を掲載できます。掲載した後はAIがXやInstagramなどの投稿を24時間確認し、似た情報が見つかると投稿者へメールで知らせる流れです。保護した人の投稿と飼い主の投稿が結びつきやすくなり、地域ぐるみで探せます。

ペットの見守りの定着を目指す

同社が目指すのは、犬や猫の居場所を確かめられる状態を、特別な備えではなく日常の一部にすることです。製品の一般販売は2025年8月の愛猫向けの首輪から始まり、2026年4月には犬と猫の両方で使える形へ広がりました。行動の記録が積み重なれば、いつもと違う動きに早く気づく使い方も見込まれます。家族と離れてしまう犬や猫を減らすことが、同社の掲げる目標です。

会社概要|株式会社Woldyの事業内容・設立背景

静岡県裾野市で2023年に創業

株式会社Woldyは、2023年5月17日に静岡県裾野市で設立されました。代表取締役を務めるのは鈴木翔大氏です。事業は、ペットテック領域を中心としたIoTデバイスとアプリ、Webサービスの提供を手がけます。資本金と資本準備金の合計は1,000万円です。

先行販売から一般販売へ拡大

製品は、購入者を先に募る先行販売から始まりました。2024年には、応援購入サービス「Makuake」(購入の申し込みを先に集めて製品化する仕組み)でプロジェクトを実施しています。2025年8月5日には、愛猫向けGPSスマート首輪「ねこなら」の一般販売を開始しました。2026年4月30日には、犬と猫のどちらにも使えるGPS見守りデバイス「いぬなら / ねこなら」を発売し、対象を広げています。

端末と月額のビジネスモデル

収益は、端末の販売と月額の通信プランで構成されます。端末の価格は、税込で16,800円です。通信プランは税込で、月払い980円、1年契約750円、2年契約550円と、契約期間が長いほど月あたりの負担が軽くなります。専用アプリの対応は、iOSとAndroidの両方です。迷子掲示板は、無料で登録して利用できます。

会社情報

会社名株式会社Woldy(ウォルディ/Woldy Co.,Ltd)
所在地静岡県裾野市富沢82-30
設立2023年5月17日
代表鈴木 翔大(代表取締役)
資本金1,000万円(資本準備金との合計)
事業ペットテック領域を中心としたIoTデバイス・アプリ・Webサービスの提供、運営。GPS見守りデバイス「いぬなら / ねこなら」(32×55×17mm、約35g、IP68防水、駆動時間 約72時間、位置更新 最短30秒、本体16,800円・月額550〜980円。2026年4月30日発売)。愛猫向けGPSスマート首輪「ねこなら」(2025年8月5日 一般販売開始)。迷子掲示板(AIがSNSの投稿を24時間照合し、メールで通知する無料サービス)
技術領域衛星測位、Wi-Fi測位、IoTデバイス、加速度センサーによる行動記録、スマートフォンアプリ
URLhttps://corp.woldy.co.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

犬や猫が家からいなくなったときに家族ができることは、これまで貼り紙と聞き込みに偏り、手がかりの多くは人づてでした。手がかりが乏しいまま、時間だけが過ぎていきます。その状況を位置情報という一点で変えようとする発想が、強く印象に残ります。

Woldyが手がけているのは、単なる首輪ではなく、居場所が分かる状態を日常に置く仕組みです。家族での見守りにとどまらず、端末を持たない犬や猫まで届く迷子掲示板まで用意している点に、自社製品の外側まで見ている姿勢がうかがえます。猫から犬へ、そして地域へと対象を広げてきた歩みからも、その姿勢は読み取れます。

家族と離れてしまう犬や猫が一頭でも減る未来に、期待が集まります。

FrontJournal編集部

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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