2026.10.03 │ 理研・バイオテックほか │ 元発表:2026.10.02

理化学研究所ら、全自動デジタルバイオ分析装置の製品化試作品を開発

ニュース紹介

「全自動デジタルバイオ分析装置の製品化試作品の開発に成功-感染症迅速診断・がん早期診断などの社会実装に向けて-」

理化学研究所(理研)開拓研究所 渡邉分子生理学研究室の渡邉力也主任研究員、東京都健康長寿医療センター研究所、バイオテック株式会社、東京科学大学、京都大学、いすみ医療センターらの共同研究グループは、デジタルバイオ分析法を基盤とした全自動小型分析装置の製品化試作品を開発しました。

本装置は、微小試験管アレイを用いた1分子計測技術と、自動分注・画像解析技術を統合し、試料投入から結果表示までを全自動で実施します。非増幅遺伝子検査法「SATORI法」をはじめとする各種のデジタルバイオ分析法を実装でき、感染症の迅速診断に加え、がんや認知症の早期診断への応用が期待されます。理研を中核とした産学医連携のもと、LDT(Laboratory Developed Test)向け製品として社会実装を進めています。

成果は米国学術誌「Cell Reports Physical Science」オンライン版(10月1日付、日本時間10月2日)に掲載されました。

出典:理化学研究所 2026年10月2日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20261002_1/index.html

FrontJournalの解説

この研究分野について

デジタルバイオ分析は、目に見えないほど小さな試験管を大量に並べ、1つ1つに入った分子を数えて調べる方法です。1分子のレベルで検出できるため、ごく少ないウイルスや病気の目印も見つけやすくなります。

一方で、試薬を混ぜる、反応させる、画像を撮る、解析するといった工程を熟練者が手作業で行ってきました。検査の速さや再現性、病院への普及に限界があり、日本の検査装置や消耗品が海外製に頼っていることも課題とされてきました。

①机に載る大きさで全工程を自動化

装置の設置面積は約50cm×50cmで、机の上に置けます。加熱や磁気で試料を下ごしらえする部分、4連の自動分注、広い視野の蛍光撮影を1台にまとめました。

消耗品のマイクロチップには、約100万個の微小試験管の並びが4基あります。製造にはCDの射出成形技術を応用しており、高い精度で安く大量につくれるとしています。特定の検査法専用ではなく、複数の検査法を載せられる設計です。

②呼吸器感染症を約15分で判定

研究チームは、鼻の奥からとった検体をそのまま入れるだけで、SATORI法による遺伝子検査ができる仕組みをつくりました。これまで別の装置で行っていた核酸の精製を、装置の中に取り込んでいます。

新型コロナウイルスなど急性呼吸器感染症で評価したところ、検体を入れてから約15分で結果が得られ、感度・特異度ともに約90%でした。感染の恐れがある検体に人が触れる機会を減らせる点も利点に挙げています。

編集部からひとこと

本成果は内閣府のBRIDGEの支援を受け、研究から装置開発、量産、臨床評価までを一体で進めたものです。検査装置と消耗品の国産化がどこまで医療現場に広がるかに注目します。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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