2026.08.27
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理化学研究所・神戸大学
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元発表:2026.08.26
理化学研究所ら、腸細胞の死をヘムの量が決める仕組みを解明
ニュース紹介
「暗黒の細胞死エレボーシスを制御する分子機構の解明」
理化学研究所生命機能科学研究センター 動的恒常性研究チームのユ・サガンチームディレクターと森川源大大学院生リサーチ・アソシエイトらの共同研究グループは、ショウジョウバエを用いて、古い腸細胞が新しい細胞に置き換わるときに起きる暗黒の細胞死「エレボーシス」が、細胞内のヘムという鉄を含む分子によって制御されていることを明らかにしました。
共同研究グループは、細胞内のヘムの減少がエレボーシスを引き起こし、それにより腸細胞の新陳代謝が維持されることを発見しました。さらに、ヘムの増加によってエレボーシスが抑制される過程では、シグナル伝達経路の一つであるDpp/BMPシグナルが関与していることも分かりました。
エレボーシスは、2022年に同チームがショウジョウバエの腸で発見し名付けた細胞死で、アポトーシスなど他の細胞死とは異なる特徴を持ちます。本研究は、科学雑誌『PLOS Biology』オンライン版に8月19日付で掲載されました。
出典:理化学研究所 2026年8月26日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260826_2/index.html
FrontJournalの解説
この研究分野について
動物の体には、古くなったり傷ついたりした細胞を積極的に取り除く仕組みがあります。これを細胞死と呼びます。細胞死は細胞の置き換わりを進め、臓器の働きや形を保つ役割を担っています。
よく知られた細胞死にアポトーシスがあり、これはがん細胞を取り除く働きも持ちます。一方で2022年に見つかったエレボーシスは、アポトーシスとは異なる特徴を持つ新しいタイプの細胞死です。研究者が目指しているのは、この仕組みを解き明かし、異常な細胞がたまる過程の理解につなげることです。
①新しい細胞死の制御役が分かっていなかった
さまざまな動物の腸では、細胞が日々置き換わることで恒常性が保たれています。ショウジョウバエでは、古い腸細胞がエレボーシスという細胞死で取り除かれます。
ただし、エレボーシスがどのように制御されているかは、よく分かっていませんでした。餌の栄養が少ないと細胞内の流動性が下がってエレボーシスが進むことは報告されていましたが、その引き金となる分子は不明のままでした。
②鉄を含む分子ヘムの増減が生死を分ける
共同研究グループは、細胞内のヘムが減るとエレボーシスが起き、それによって腸細胞の新陳代謝が保たれることを発見しました。ヘムは鉄を含む分子です。
さらに、ヘムが増えてエレボーシスが抑えられる過程には、Dpp/BMPシグナルというシグナル伝達経路が関わっていることも分かりました。細胞内のヘムの量が、細胞の生死を決める要素として働いていることになります。
編集部からひとこと
細胞死は、がん細胞がたまる仕組みと表裏の関係にあります。今回の成果はショウジョウバエで得られたものですが、エレボーシスは哺乳類の脳でも起きている可能性が示唆されています。鉄を含むヘムという具体的な分子に制御役が絞り込まれたことで、他の生物で確かめる際の手がかりができました。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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