ニュース紹介
「電池材料の表面をフッ素で変え、内部構造と界面反応を同時に安定化」
信州大学アクア・リジェネレーション機構の是津信行教授らと、フランス・モンペリエ大学の研究者らの国際共同研究グループは、高容量リチウムイオン電池の正極材料として期待されるニッケルリッチ層状酸化物(NCM811)について、粒子の表面近傍にフッ素を導入することで、充放電時に起きる結晶構造の変化と電解液との界面反応を同時に安定化できることを明らかにしました。
研究グループは、フッ化キセノンを用いた固体と気体の反応によって、NCM811の層状結晶構造を保ちながら、粒子表面近傍にフッ素が濃くなった領域を作りました。X線回折、X線光電子分光、電気化学測定、オペランド赤外分光に加え、第一原理計算とニューラルネットワークポテンシャルによるシミュレーションを組み合わせ、フッ素化の効果を多階層にわたって解析しています。
その結果、高電圧充電時の結晶格子の収縮が緩和され、電解液の分解と正極界面被膜の過剰な成長が抑えられました。正極の表面改質によって負極側の劣化反応まで抑えられ、フルセルの100サイクル後の容量維持率は77%から93%へ向上しています。
出典:科学技術振興機構(JST) 2026年8月26日 プレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260826-4/index.html



