ニュース紹介
「金属-有機構造体におけるMg2+伝導機構の実験的裏付け-ミクロな分子運動とマクロなイオン伝導の関係-」
理化学研究所開拓研究所の佐藤駿研修生、山室修研究員、小林玄器主任研究員、東京理科大学の貞清正彰准教授、島根大学の大政義典特任助教、総合科学研究機構(CROSS)の山田武副主任研究員らの共同研究グループは、極めて高いマグネシウムイオン(Mg2+)伝導度を示す金属-有機構造体(MOF:金属イオンと有機分子が組み合わさってできた、細かい穴を多数持つ材料)について、イオン伝導の仕組みに関わる要因を熱容量測定と中性子散乱で調べました。
この材料は、MOFの一種「MIL-101」にマグネシウム塩とアセトニトリル(有機溶媒の一種)の蒸気を入れたもので、室温で極めて高い伝導度を示すことが分かっていましたが、アセトニトリル分子の働きは不明でした。実験の結果、アセトニトリル分子はMg2+との相互作用で動きが遅くなり、サイトからサイトへ約1.6Å(オングストローム、1Åは100億分の1メートル)ずつ飛び移るように拡散していることが分かりました。これは、アセトニトリル分子がMg2+に配位(くっついて結合をつくること)することで伝導度が高まるという仮説を裏付ける結果です。成果は『Journal of the American Chemical Society』オンライン版(9月29日付)に掲載されました。
出典:理化学研究所 2026年10月21日 プレスリリース(掲載誌:Journal of the American Chemical Society/DOI: 10.1021/jacs.6c11926)
https://www.riken.jp/press/2026/20261021_2/index.html


