2026.09.25 │ SkyDrive │ 元発表:2026.09.24

SkyDrive、空飛ぶクルマにマルチローターを選ぶ設計根拠を公開

ニュース紹介

「SkyDrive、「空飛ぶクルマ」の機体設計コンセプトを公開」

株式会社SkyDriveは、都市部で「空飛ぶクルマ」を実現するのに適した機体設計の根拠をまとめた機体設計コンセプト「混雑した都市環境におけるeVTOLの安全性のジレンマ」を公開しました。都市運航に必要なホバリング性能やバッテリー出力、安全設計の関係を考察し、同社がコンパクトなマルチローター型を選んだ技術的根拠を説明しています。

コンセプトでは、前進飛行のエネルギー効率ではティルトローター型が優位とする調査を引用したうえで、離着陸場所が限られる都市部ではホバリングと垂直離着陸の性能が重要になると指摘しています。同社は12基のローターを配置してローターの総面積を確保し、ディスクローディングを低く抑える設計を採用しています。

また、バッテリーパックの1つが故障しても安全に垂直着陸できるパワーマージンを確保しているとしています。30km未満の都市部の短距離移動ではマルチローター構造が合理的で安全だと判断したと説明しています。同社は2028年のサービス開始を目指しています。

出典:株式会社SkyDrive 2026年9月24日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000243.000038857.html

FrontJournalの解説

この分野について

空飛ぶクルマは、電動で垂直に離着陸できる航空機(eVTOL)を使った新しい移動手段です。機体の形には、飛行機のような翼を持ち長い距離を効率よく飛べる固定翼型(ティルトローター型など)と、多数のローターで浮くマルチローター型があり、用途によって向き不向きがあります。

SkyDriveは愛知県豊田市を拠点とする2018年設立の企業です。公式サイトによると、開発中の機体「SKYDRIVE(SD-05型)」は操縦士1名と乗客2名の3人乗りで、最大離陸重量は1,400kg、航続距離は15〜40kmとされています。

①ディスクローディングを下げてホバリングを楽にする

ディスクローディング(円盤荷重)とは、機体の最大離陸重量をローターの総面積で割った値です。この値が高いほど、空中で止まるホバリングに大きな出力が必要になります。

SkyDriveは12基のローターで面積を広く取り、ホバリングに必要な出力を抑える設計にしています。バッテリーは、どれだけ遠くまで飛べるかを決める「エネルギー密度」だけでなく、瞬間的に大きな電力を出せる「出力密度」も重要になるとしています。

②故障しても降りられる余裕を残す

航空機は、部品の一部が壊れても安全に着陸できる設計が求められます。建物が密集する都市部では、緊急時に滑走して降りる場所を確保しにくいため、垂直に着陸しきれるかどうかが重要になります。

同社は、ディスクローディングを低く保つことで、バッテリーの1つが故障した場合にも出力の余裕が残るとしています。長距離では固定翼型が優れることを認めたうえで、都市の短距離移動に絞って機体の形を選んだという整理です。

編集部からひとこと

空飛ぶクルマの機体の形は、各社で分かれています。今回の公開は、SkyDriveが「どこから乗れるか」を重視して設計を選んだ理由を、数値の考え方とともに示したものです。2028年のサービス開始に向けて、この設計が実際の運航でどう評価されるかに注目します。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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