ABABA「お祈りエール」を開発|不採用通知を応援に変え、学生を他社へ推薦するイラスト

株式会社ABABA(アババ)

ABABA「お祈りエール」を開発|研究領域=不採用通知を・応援に変える/強み=不採用の学生を・他社へ推薦/将来性=選考データで・最適配置へ

企業紹介|株式会社ABABAとは?

不採用通知を応援に変え、不採用の学生を他社へ推薦する方式として、注目を集める「お祈りエール」。株式会社ABABAは、その社会実装を目指す、岡山大学発の採用支援系ディープテック企業です。最終面接経験者向けのスカウト「ABABA」と、AI模擬面接「REALME」を、新卒採用を行う企業と就活生へ提供しています。

キーワード「お祈りエール」

「お祈りエール」は、最終面接で採用できなかった学生に、不採用通知とあわせて他社への推薦と登録の案内を届ける方式です。特徴は、不採用になった学生が選考の過程を評価として残したまま、他の企業からスカウトを受け取れる点にあります。スカウトを送る企業は、他社の最終面接に進んだ学生へ、選考の案内を直接届けられます。

市場課題|最終面接の過程が評価に残りにくく、学生と企業の負担が大きい

現状の就職活動の課題|現状は、過程が評価されにくく選別も難しい|面接の過程が・評価されにくい/合う学生を・選別しにくい

面接の過程が評価されにくい

就職活動では、最終面接まで進んでも不採用になると、そこまでの選考で得た評価が他の企業に伝わりにくくなります。不採用の通知を受けた学生は落胆が大きく、心理的な負担を抱える場合があるといわれています。このままでは、学生の落胆が続き、企業も選考で評価した人材との接点を失いかねません。

合う学生を選別しにくい

新卒採用のスカウト型サービスは、学生へ直接声をかけられる一方で、自社に合う学生を選別する手間が生じます。採用要件とずれる学生との面談が増えると、人事の負担が大きくなります。結果として、採用活動の効率が下がる状況です。

他にも、就職活動の早期化に伴う準備の負担、内定承諾後の辞退の増加、オンライン面談の一般化、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • スカウト型サービス企業が登録された学生の情報を見て、自ら声をかける採用サービスである。応募を待つ従来の方法と異なり、企業から働きかけるため、声をかける相手の選び方が採用の効率に関わる。

ABABAの強み|「お祈りエール」を開発

ABABAが「お祈りエール」を開発|現在は、推薦とスカウトで再挑戦を提供|不採用の学生を・他社へ推薦/最終面接の経験で・絞り込める

不採用の学生を他社へ推薦

従来の採用では、最終面接で不採用になると、学生と企業の関係は多くの場合そこで途切れていました。

同社の「ABABA」は、最終面接で採用できなかった学生を、企業どうしで推薦し合う仕組みです。企業は不採用通知のメール(いわゆる「お祈りメール」)に、ABABAへの登録案内を添えます。この方式の名称が「お祈りエール」です。学生は登録すると、その企業の最終面接まで進んだ学生として、他の企業からスカウトを受け取れます。不採用になった後も、選考で評価された事実が残るため、次の選考につながる声かけを受け取り、再挑戦できるようになります。

最終面接の経験で絞り込める

従来のスカウト型サービスでは、声をかける相手を登録情報だけで選ぶため、自社の採用要件との一致を確かめる手間が残ります。

同社のスカウトは、最終面接まで進んだ企業と職種が分かる学生に絞って送れる仕組みです。最終面接まで進んだ企業と職種が明確なため、学生がどの分野を志望してきたかを把握しやすくなります。競合企業の最終面接に到達した学生も確認できるため、自社の採用要件に近い学生へ声をかけられる点が特徴です。他社の最終面接まで進んだ学生は、すでに選考を受けて評価されている可能性が高く、企業は選考フローの一部を省く運用も選べます。人事の確認作業が減り、負担を抑えられるようになります。

FrontJournalの解説
  • お祈りメール企業が不採用とした応募者へ送る、不採用通知のメールの通称である。結びに今後の活躍を祈る文言が添えられることから、この名で呼ばれる。ABABAはこの通知に推薦の案内を添える。

お祈りエールの未来|AI面接と選考データで最適配置へ

お祈りエールが変える未来|AI面接と選考データで最適配置へ|AI模擬面接で・能力を点数化/既存事業の機能開発・新サービス/人と企業の・最適配置を目指す

AI模擬面接で能力を点数化

同社は2024年11月に、就活版全国共通模試「REALME」を正式にリリースしました。就活生は約20分のAI面接を受けると、新卒採用で重視される35の項目と14の能力が点数化されます。ABABAを通じて蓄積した7万人以上の就活生の最終面接データなどをもとに、志望企業の内定を獲得できる可能性や、最終面接に進んだ他の就活生と比べた改善点を知ることができます。就職活動の早い段階にいる学生にも届くサービスで、登録者は正式リリースから3か月で3万人を突破しました。

既存事業の機能開発と新サービス

2025年3月の発表で、同社は既存事業の機能開発を進める方針を示しました。「ABABA」は、2025年春に卒業予定の学生の利用者が約4万人に達し、前年同期比で3倍近くになっています。累計の利用企業は2,000社を超え、前年度末までの累計の2倍近い水準です。2025年3月に調達した資金は、既存事業の成長と新サービスの研究開発に充てる計画です。

人と企業の最適配置を目指す

選考の過程のデータをもとに人と企業を最適に結びつける採用の基盤が、同社の目指す姿です。現在は、「ABABA」が選考の過程を評価する仕組みで、「REALME」が内定の可能性を可視化する仕組みです。同社は、選考データに基づく人材評価と最適なマッチングで、人と企業の最適配置を引き出すことを掲げています。この基盤が広がれば、就職活動の結果だけでなく過程も評価され、学生と企業が互いに合う相手と出会いやすくなります。

会社概要|2020年設立の岡山大学発企業ABABA

2020年設立の岡山大学発企業

株式会社ABABAは、2020年10月19日に設立されました。久保駿貴氏が岡山大学理学部の在学中の2020年に創業し、同大学から岡山大学発ベンチャーの称号を授与されています。きっかけは、親友が最終面接で不採用になって落胆した姿を見た経験で、就職活動の過程を評価する仕組みの必要を感じたことでした。現在は、久保氏が代表取締役社長、関西大学在学中から事業を立ち上げ、久保氏と共同創業した中井達也氏が代表取締役CEOを務め、中井氏は「REALME」事業の責任者でもあります。

受賞と経団連入会

同社は、2020年の「キャンパスベンチャーグランプリ」全国大会で経済産業大臣賞を受賞しました。2024年1月には「東京ベンチャー企業選手権大会2023」の「ヒヨコーン部門」で最優秀賞(東京都知事賞)、同年10月には日本の人事部「HRアワード2024」の人材採用・雇用部門で最優秀賞を受賞しています。2024年3月には、岡山大学発ベンチャーとして初めて、日本経済団体連合会(経団連)に入会しました。

累計18.2億円の調達

同社の累計調達額は、2025年3月時点で18.2億円です。同月7日のシリーズB(事業が成長段階に入った企業が、市場拡大や新サービスの開発のために行う資金調達段階)では、総額12.5億円を調達し、DBJキャピタルがリード投資家を務めました。第三者割当増資(特定の投資家に新株を発行する方法)に、融資と私募社債の発行を組み合わせた調達です。2022年2月には、シードラウンドで6,000万円を調達しています。累計には、このほかのラウンドの調達額も含まれます。

会社情報

会社名株式会社ABABA
所在地東京都渋谷区恵比寿1丁目19番19号
設立2020年10月19日
代表代表取締役社長 久保駿貴、代表取締役CEO 中井達也
調達累計18.2億円(2025年3月時点)。シリーズB 12.5億円(2025年3月7日、リード投資家はDBJキャピタル、引受先はJPインベストメント、SMBCベンチャーキャピタル、三菱UFJキャピタル、デライト・ベンチャーズ、ちゅうぎんキャピタルパートナーズ、広島ベンチャーキャピタル、融資は日本政策金融公庫・三井住友銀行・中国銀行)。シード 6,000万円(2022年2月)
事業新卒向けスカウト型サービス「ABABA」の運営、就活版全国共通模試「REALME」の運営
連携岡山大学(岡山大学発ベンチャー)
採択キャンパスベンチャーグランプリ全国大会 経済産業大臣賞(2020年)。東京ベンチャー企業選手権大会2023 ヒヨコーン部門 最優秀賞(2024年1月)。HRアワード2024 人材採用・雇用部門 最優秀賞(2024年10月)。Forbes JAPAN「30 UNDER 30」(久保氏・2024年)。Forbes 30 Under 30 Asia(久保氏・中井氏・2025年)
URLhttps://hr.ababa.co.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

最終面接で落ちた経験は、本人にとって評価の終わりに感じられます。ABABAは、その不採用を終点にせず、選考の過程を次の企業へつなぐ仕組みにしました。創業のきっかけが、学生自身が見た友人の落胆だった点にも、課題の近さを感じます。

2つのサービスは、学生が自分の力を知る機会と、企業が学生の価値を見極める機会を、それぞれ広げる試みです。選考の結果だけでなく過程を見る視点は、採用の見え方を変える試みです。単なる採用の効率化でなく、就職活動の過程そのものに価値を持たせようとする姿勢が伝わってきます。

不採用通知が応援の手紙として受け取られる就職活動が、当たり前になる日を楽しみに待ちたいと思います。岡山大学から生まれたほかの企業は、岡山大学発スタートアップ10選で紹介しています。

FrontJournal編集部

出典:経済産業省 大学発ベンチャーデータベース2026

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年9月28日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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