市場課題|膜タンパク質を狙う薬は作りにくい

細胞膜の標的は抗体で狙いにくい
細胞膜にあるイオンチャネル(イオンの通り道)やGPCR(信号を受け取る受容体)は、抗体医薬(抗体を利用した薬)で狙うのが難しい薬の標的です。いずれも病気に関わる膜タンパク質(細胞膜に埋め込まれたたんぱく質)ですが、低分子医薬(小さな化合物の薬)でも薬を設計しにくく、副作用が問題になることがあります。その結果、薬の候補を得にくく、治療の選択肢が限られる恐れがあります。
ペプチドの化学合成は失敗が多い
膜の標的に作用する候補として研究が進むジスルフィドリッチペプチドは、化学合成では正しい立体構造のものを得にくい分子です。どの硫黄原子どうしを結ぶかを制御しにくく、誤った組み合わせが混ざりやすいためです。候補を多く試すほど、時間と費用もかさみます。
他にも、化学農薬が益虫や生態系に及ぼす影響、家畜の抗生物質で生じる耐性菌、といった課題があるといわれています。
- 膜タンパク質細胞膜に埋め込まれたたんぱく質で、物質の出入りや外からの信号の受け取りを担う。イオンチャネルやGPCRが代表である。多くの病気に関わる一方、膜から取り出すと形が崩れやすく、薬の標的として扱いにくい。


