ニュース紹介
「水溶液中のヘムタンパク質のスピン状態の観測に成功 -ミオグロビン水溶液の軟X線吸収分光測定-」
自然科学研究機構 分子科学研究所/あいちシンクロトロン光センターの杉本泰伸研究員、理化学研究所 計算科学研究センター 量子系分子科学研究チームの水流翔太特別研究員、自然科学研究機構 分子科学研究所/総合研究大学院大学の長坂将成助教の研究グループは、ポルフィリン環のN K吸収端の軟X線吸収分光測定と内殻励起計算により、室温の水溶液中のミオグロビンのヘムのスピン状態を観測することに成功したと発表しました。
研究グループは、ポルフィリン環のC=N π*ピークが、ポリペプチド鎖に含まれる窒素原子の寄与に埋もれることなく観測されることを発見しました。測定は分子科学研究所UVSORの軟X線ビームラインBL3Uで、研究グループが独自に開発した溶液XAS測定システムを接続して行われました。
解析により、オキシミオグロビンは低スピン状態、デオキシミオグロビンはS=2とS=1のスピン平衡状態、メトミオグロビンはS=5/2とS=3/2のスピン平衡状態を示すことが分かりました。ヘムタンパク質のスピン状態は温度やポリペプチド鎖の影響を受けるため、機能を発現した状態でのその場測定が重要であることを示したとしています。本成果は国際学術誌『Physical Chemistry Chemical Physics』に8月24日付で掲載されました。
出典:理化学研究所 2026年9月7日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260907_1/index.html









