2026.09.08 NEDO・ジャパンエンジンコーポレーションほか 元発表:2026.09.08

ジャパンエンジンら、大型商船用水素エンジンの陸上試験に成功

ニュース紹介

「世界初、大型商船向け水素燃料エンジンの陸上運転試験に成功しました」

NEDOの事業において、株式会社ジャパンエンジンコーポレーション、川崎重工業株式会社、ヤンマーパワーソリューション株式会社、株式会社商船三井、商船三井ドライバルク株式会社、尾道造船株式会社、一般財団法人日本海事協会は、大型商船向け水素燃料エンジン「6UEC35LSGH」を完成させ、陸上運転試験に成功しました。

エンジンには、燃料を高圧で直接シリンダ内に噴射する高圧直噴方式を採用しています。運転試験では水素混焼率95%以上を達成し、従来の重油燃料エンジンと比べてGHG(温室効果ガス)排出を95%以上削減できるとしています。安全対策として、堅固な水素漏えい防止構造と、水素供給配管への二重管の適用などを実施しました。

今後は2027年1月に1万7500重量トン型の多目的船へ搭載し、2028年4月から実船実証試験を開始する予定です。

出典:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 2026年9月8日 プレスリリース
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101962.html

FrontJournalの解説

この研究分野について

世界の貿易品の多くは船で運ばれています。その燃料には長く重油が使われてきました。重油は燃やすと二酸化炭素を出すため、船から出る温室効果ガスをどう減らすかが課題になっています。

国際海事機関IMO=船の国際的ルールを決める国連の機関)は温室効果ガスの削減目標を掲げており、日本でも代わりの燃料を使うエンジンの開発が進んでいます。有力な候補は水素とアンモニアです。水素は燃やしても二酸化炭素を出しませんが、燃え広がる速さが速く、分子が小さいため漏れやすい性質があります。研究者が目指しているのは、この扱いにくい燃料を、大きなエンジンで安全に燃やせるようにすることです。

①大型の船に積める実物がまだなかった

水素エンジンの開発は、これまで内航船(国内を行き来する船)向けの比較的小さなものが先行してきました。ヤンマーパワーテクノロジーは2024年10月に、発電用の水素エンジンで定格出力およそ500キロワット陸上実証試験に成功したと公表しています。

一方、外洋を走る大型の商船に積むエンジンは、出力が大きく、燃料を送る配管も長くなります。水素をどの割合まで混ぜて燃やせるか、漏れをどう防ぐかを実物の大きさで確かめた例は、これまでありませんでした。

②高圧で直接噴き込み、水素の割合を95%以上に

今回完成した「6UEC35LSGH」は、高圧直噴方式を採用しています。燃料を高い圧力でシリンダピストンが動く筒)の中へ直接噴き込む方式です。陸上での運転試験では、水素混焼率(燃料に占める水素の割合)95%以上を達成しました。

温室効果ガスの排出量は、従来の重油を使うエンジンと比べて95%以上減るとしています。安全面では、水素が漏れにくい構造に加え、水素を送る配管を二重にする対策などが取られています。

編集部からひとこと

発表では、2027年1月に1万7500重量トン型の多目的船へ搭載し、2028年4月から実船での実証試験を始める予定が示されています。陸の上で回ったエンジンが、波で揺れ続ける船の上でも同じように動くかは、これから確かめる段階です。日程と搭載する船の大きさまで具体的に示されている点は、開発の進み具合をはかる手がかりになります。

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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