2026.07.20 シャープ株式会社 元発表:2026.07.17

シャープ、国産AI基盤モデルを開発するNoetraに出資 産総研と連携するフィジカルAI事業(FrontJournal解説)

ニュース紹介

「国産AI基盤モデルの開発を推進する「Noetra」社に出資」

シャープ株式会社は2026年7月17日、国産のAI基盤モデルの開発を推進するNoetra株式会社(東京都渋谷区、2026年7月1日事業開始)に出資したと発表しました。Noetraにはソフトバンクや本田技研工業が中心となり、電機・自動車・製薬・建設・金融など、2026年7月16日時点で計44社が出資しています。

Noetraが開発するのは、言語に加えて音声・画像・動画・センサーデータなど多様な情報を扱う国産マルチモーダル基盤モデルです。産業技術総合研究所と共同で提案し、NEDOの事業に採択されています。事業規模は2030年度までに約1兆円が見込まれています。シャープは、出資を通じてフィジカルAIの社会実装に関する知見や動向を早期に獲得し、自社のAI事業の展開に活用するとしています。

出典:シャープ株式会社 2026年7月17日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001569.000012900.html

FrontJournalの解説

「基盤モデル」と「フィジカルAI」とは

基盤モデルとは、大量のデータで学習させ、さまざまな用途に応用できるAIの土台となるモデルのことです。文章を扱う大規模言語モデルがよく知られていますが、Noetraが目指すのは言語だけでなく音声・画像・動画・センサー情報まで扱う「マルチモーダル」型です。こうしたAIをロボットや機械など現実世界で動くものに結びつける取り組みは「フィジカルAI」と呼ばれ、製造や物流の現場での活用が期待されています。

①国が支える「国産」基盤モデルという枠組み

Noetraは、産業技術総合研究所と共同で提案し、経済産業省・NEDOのAIロボット・フィジカルAI向け基盤モデル開発事業に採択されています。海外の巨大IT企業が基盤モデル開発を主導するなか、日本国内で開発・運用できるモデルを持つことは、産業データを国内にとどめて活用するうえでの土台になります。研究機関と企業が組み、国の支援を受けて進める大型の産学官プロジェクトです。

②44社が出資する狙い

出資には電機・自動車・製薬・建設・金融など幅広い業種の企業が名を連ねています。基盤モデルの開発には膨大な計算資源とデータが必要で、1社では担いきれません。各社にとっては、自社の現場で使えるAIの土台づくりに早い段階から関わり、知見を得る狙いがあります。シャープも、フィジカルAIの社会実装に関する知見の獲得を出資理由として挙げています。

編集部からひとこと

AIの競争は、個別のサービスから、その土台となる基盤モデルそのものへと広がっています。言語だけでなく現実世界の情報を扱うモデルを、研究機関と多くの企業が組んで国内で育てようとする取り組みは、日本の産業がAIをどう使いこなすかを左右する土台づくりといえます。研究成果が実際の製造現場やロボットにどう結びついていくか、今後の展開が注目されます。

プレスリリース原文を読む ↗

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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