2026.11.04 │ 株式会社Orbital Lasers │ 元発表:2026.10.30

Orbital Lasers、JAXAと高度計ライダー開発契約 HTV-Xで実証へ

ニュース紹介

「Orbital Lasers、JAXAと高度計ライダーミッション部の研究開発契約を締結」

宇宙用レーザーを中核とした宇宙光学技術を開発する株式会社Orbital Lasers(本社:東京都港区、代表取締役CEO:福島忠徳)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、高度計ライダー・イメージャシステム ミッション部の開発に係る研究開発契約を締結したと2026年10月30日に発表しました。2024年度にJAXAと締結した契約に基づく概念設計や試作・評価の成果を踏まえて開発を進め、ミッション部は新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」に搭載して軌道上で実証する計画です。

実証では、宇宙環境下でのレーザーの照射、反射・散乱光の受信、距離の計測に至る一連の機能や性能・安定性を検証します。同社は、1回のレーザー照射で広範囲を連続的かつ高精度に計測する「面的ライダー計測技術」の開発に取り組んでいます。宇宙用の高出力レーザーと、単一光子レベルの微弱な反射・散乱光を検出する受光センサーを組み合わせ、地表面や森林などの3次元形状を面的かつ高密度な点群データとして取得する方式を目指します。将来は商用ライダー衛星を年間複数機打ち上げて衛星コンステレーションを構築し、世界各地で3次元点群データを継続的に取得・蓄積することを計画しています。

出典:株式会社Orbital Lasers 2026年10月30日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000151266.html

FrontJournalの解説

この分野について:宇宙から地表の高さを測る衛星ライダー

ライダー(LiDAR:レーザー光を当て、反射光が戻るまでの時間から距離を測る技術)は、地形や森林の3次元形状を測る手段として使われています。宇宙からの計測では、NASA(米国航空宇宙局)が「国際宇宙ステーション」に搭載した森林観測ライダー「GEDI」や、氷の標高を測る目的で設計された衛星「ICESat-2」が運用されてきました。

一方、国内の高精度な3次元地形計測は、航空機からレーザーを照射する「航空レーザー測量」が中心です。「Orbital Lasers」は、この計測を宇宙へ広げることを目標に掲げています。

①1回の照射で広い範囲を面的に測る

原文によると、海外の代表的な宇宙用ライダーは、宇宙機の進行方向に沿って地表面を線状に計測する方式を採用してきました。2024年1月に設立された同社は、高出力の宇宙用レーザーと、単一光子レベルの受光センサー(光の粒1個分の弱い光も捉える検出器)を組み合わせます。これにより、1回の照射で広い範囲を点群データ(位置情報を持つ点の集まり)として取得する方式を目指しています。

イメージャー機能で得る光学画像と組み合わせ、計測地点の位置特定を高度化する計画も示しています。

②HTV-Xに搭載し、軌道上で機能を確かめる

「HTV-X」は、2009年から2020年まで国際宇宙ステーションへの物資輸送を担った「こうのとり」(HTV)の後継機です。1号機は2025年10月26日に「H3ロケット」7号機で種子島宇宙センターから打ち上げられました。

同社はこの補給機に開発したミッション部を搭載し、宇宙環境でレーザーの照射から距離の計測までの機能や安定性を検証します。商用化に向けては、レーザーの消費電力や発熱を抑えて衛星全体の小型化・低コスト化につなげる方針です。

FrontJournalからのひとこと

今回の契約は、2024年度の概念設計や試作・評価に続く段階にあたり、軌道上で面的な計測の機能と性能を確かめることが次の節目になります。同社は、航空機での測量が難しかった地域でも3次元点群データを提供し、防災やインフラ管理、森林資源管理に役立てる構想を掲げています。実証で得られるデータの精度と、商用衛星の小型化・低コスト化の進み方に注目します。

FrontJournal編集部

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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