2026.07.20
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理化学研究所
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元発表:2026.07.13
理研、胎盤形成に必須の制御因子RESF1を発見 ゲノム安定性を保つ新経路(FrontJournal解説)
ニュース紹介
「胎盤形成を支える新しいゲノム制御機構を発見」
理化学研究所開拓研究所眞貝細胞記憶研究室の福田渓客員研究員、志村知古氏、眞貝洋一主任研究員らの共同研究グループは2026年7月13日、胎盤の形成に必須の制御因子RESF1の機能を解明したと発表しました。
研究では、Resf1を欠損させたマウスを用い、ゲノム編集、1細胞RNAシークエンス、ChIP-seq解析などを組み合わせて解析しました。その結果、RESF1は従来知られていた仕組みとは異なる経路で胎盤細胞のゲノムの安定性を維持しており、細胞種特異的な広域ヘテロクロマチン構造を保つ新たなエピゲノム制御因子として働くことが分かりました。欠損マウスでは、ホモ接合体の出生率が予想される25%より有意に低下したとしています(『Genome Research』オンライン版・2026年6月29日付、DOI: 10.1101/gr.281507.125)。
出典:理化学研究所 2026年7月13日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260713_1/index.html
FrontJournalの解説
エピゲノムとは何か
すべての細胞は同じ設計図(ゲノム)を持っていますが、皮膚の細胞と胎盤の細胞では働く遺伝子が異なります。このどの遺伝子を使うかを制御する仕組みがエピゲノムです。DNAそのものの文字を変えずに、使う部分・使わない部分に印をつけるイメージです。今回見つかったRESF1は、その印付けに関わる新しい因子です。
①胎盤という「特殊な臓器」を支える仕組み
胎盤は妊娠期間だけ存在する特殊な臓器で、母体と胎児の間で栄養や酸素をやり取りします。今回の研究は、この胎盤の細胞でゲノムの安定性がどう保たれているかを調べたものです。Resf1を欠損したマウスでは生まれてくる割合が有意に下がっており、この因子が胎盤形成に欠かせないことを示しています。
②妊娠に関わる病気の理解につながる可能性
胎盤がうまくつくられないことは、妊娠に関わるさまざまな不調と関係するとされています。今回のように必須の制御因子が特定されると、そうした異常がなぜ起きるのかを分子のレベルで考える手がかりになります。また、ゲノム中を動き回る「トランスポゾン」の制御異常に関わる疾患の理解にもつながると期待されています。基礎研究の段階ですが、医療の土台となる知見です。
編集部からひとこと
胎盤は、妊娠期間だけ働いて役目を終える臓器です。その形成を支える制御因子が新たに見つかったことは、生命がどのように始まるかを理解するうえでの一歩といえます。ゲノム編集や1細胞解析といった近年の技術が、こうした発見を可能にしている点も印象的です。妊娠関連疾患の原因解明へどうつながるか、今後の研究が注目されます。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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