Redge「医療機器管理」を研究|クラウドにつながる血液透析器と人工呼吸器のイラスト

株式会社Redge(レッジ)

Redge「医療機器管理」を研究|研究領域=医療機器の・管理と教育/強み=クラウドで管理と・教育を一体化/将来性=管理と教育の・国際標準を目指す

企業紹介|株式会社Redgeとは?

臨床工学技士(生命維持に関わる医療機器の管理を担う日本独自の医療資格)の知見で、病院の医療機器管理を支える「CeTrax」。株式会社Redgeは、その社会実装を目指す、神奈川県立保健福祉大学・岡山大学発の医療機器系ディープテック企業です。クラウド型で機器を管理し、点検の標準化と教育の支援を目指して、一部の医療機関で試験導入を始めています。

キーワード「医療機器管理」

「医療機器管理」は、人工呼吸器や血液透析器などの医療機器を点検・保守し、安全に使える状態に保つ業務です。日本では臨床工学技士がこの業務を担い、機器の操作や教育にも関わります。Redgeは、この業務の知見を管理教育システム「CeTrax」にまとめました。

市場課題|保守と教育が行き届かず、高額な機器が活用されにくい

現状の医療機器管理の課題|現状は、保守の不備と検査スタッフの不足で機器が止まる|高額な機器が・活用されにくい/遠方からの・保守が届きにくい

高額な機器が活用されにくい

一部の途上国では、高額な医療機器を導入しても、サポート体制の不備や検査スタッフの不足から十分に活用されていない現状が指摘されています。代表の稲垣大輔氏がボランティアで訪れたカンボジアの透析専門クリニックでは、血液透析器(腎臓の代わりに血液を浄化する装置)10台のうち8台が故障して使えず、治療できる患者は3名にとどまっていました。稼働できる装置が減れば、治療を受けられる患者も減ります。

遠方からの保守が届きにくい

遠方の販売業者による保守は、海外渡航が制限されると届きにくくなります。カンボジアの事例では、コロナ禍で渡航が制限され、シンガポールの販売業者から保守要員も補修用部品も届けられない状況が続きました。支援が届かなければ、復旧が長引きかねません。

他にも、点検記録の管理、保守要員の確保、補修用部品の調達、現場スタッフの教育、といった課題があるといわれています。

FrontJournalの解説
  • 血液透析腎臓の働きが低下した患者の血液を、体外の装置に通して老廃物や余分な水分を取り除く治療である。装置が故障すると治療を行えないため、日常の点検と保守が欠かせない。

Redgeの強み|「医療機器管理」を研究

Redgeが「医療機器管理」を研究|今後は、「CeTrax」で一元管理が可能に|クラウドで機器を・一元管理/管理と教育を・一体で推進

クラウドで機器を一元管理

担当者ごとに管理が分かれると、機器の状態を把握しにくく、保守漏れや点検忘れが起きかねません。

同社の「CeTrax」は、医療機器の管理状況とメンテナンス履歴を、クラウド(インターネット上のサーバー)で一元管理するシステムです。病院に配備した機器のQRコード(読み取り用の二次元コード)を読み取って管理でき、点検の予定と点検のフォーマットも提供します。現在は、一部の医療機関で試験導入の段階です。点検の流れを全員が同じ標準的な形にそろえることで、担当者ごとの管理の手順や記録のばらつきを抑えられます。

管理と教育を一体で推進

技術者が現地へ出向く方式の保守は、渡航の制限などが生じると支援が止まります。

同社は、管理システムだけでは教育の問題を解決できないとして、「CeTrax」で管理と教育を一体で進めています。教育では、オンライン教育のコンテンツとプラットフォームを提供し、スマートフォンのアプリを通じて、医療従事者が機器を適切に保守・管理できる環境の構築を目指しています。クラウド型のため、現場のナレッジを共有しやすい点も特徴です。環境が整えば、専門家が近くにいない医療機関でも、機器の扱いを学びながら保守の質を保てるようになります。

FrontJournalの解説
  • メンテナンス履歴機器ごとの点検や修理の日付、内容、担当者を時系列に残した記録である。過去の状態を確かめられるため、次の保守の時期を判断でき、故障の原因を調べる手がかりにもなる。

医療機器管理の未来|途上国から国際標準へ

クラウドの医療機器管理が変える未来|医療機器の管理と教育を国際標準へ|ベトナムの・保守事業に参加/アジアの病院へ・導入を広げる/管理と教育の・国際標準を目指す

ベトナムの保守事業に参加

2024年1月、同社はベトナムでの医療機器管理の事業に参加しました。この事業は、厚生労働省の「令和5年度医療技術等国際展開推進事業」の一つで、同社は国立国際医療研究センター病院と連携しました。この事業が目指したのは、ベトナムの主要病院から地域の省病院へ、保守管理の技術を伝える仕組みの構築です。協力機関には、現地の行政機関、教育機関、拠点病院が加わっています。

アジアの病院へ導入を広げる

医療機器の管理と教育のシステムを日本国内とアジアの病院へ広げることが、同社の目指す方向です。活動地域には、カンボジア、インド、ミャンマー、タイ、ベトナム、インドネシアなどがあります。想定する顧客は、高額な機器を導入したものの、常勤の臨床工学技士が不在か、支援を求めている病院です。オンラインで管理と教育を届けられれば、渡航が制限される状況でも、機器の保守を続けやすくなると考えられます。

管理と教育の国際標準を目指す

同社が目指すのは、医療機器の管理と医療スタッフの教育について、国際標準(グローバルスタンダード)を築くことです。あわせて、システムの提供で生まれる現地の医療機関とのネットワークを生かし、日本発の医療機器が海外へ進出する際の「ハブ」の役割も担いたいと考えています。ビジョンは、「すべての人に医療の安全と質が保障された世界を実現する」ことです。この構想が進めば、各国の病院が共通の基準で機器を管理しやすくなり、日本の医療機器も現地の現場に届きやすくなります。

会社概要|2022年設立の大学発企業Redge

2022年設立の大学発企業

株式会社Redgeは2022年5月に設立されました。代表取締役の稲垣大輔氏は臨床工学技士で、神奈川県立保健福祉大学大学院で公衆衛生学修士課程を修了しています。同社は、神奈川県立保健福祉大学・岡山大学の大学発ベンチャーとして事業を進めています。

稲垣氏は大学3年で、ベトナム・メコンデルタ研修を通じて現地の病院を見学しました。これが原体験です。ボランティアで医療支援を続けましたが、継続性に限度があるとして、事業として継続する形を選びました。

ピッチコンテストでの受賞

稲垣氏は、ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2022のアイデア部門でグランプリを受賞しています。この受賞は、同社の設立前の出来事です。同社は一般社団法人LINK-Jの「アカデミア発メドテックピッチコンテスト」で審査員賞を受けました。

教育・DX・事業開発へ広がる

医療機器管理教育システム「CeTrax」のほかに、VR教育の事業も展開しています。医療DX支援では、運搬や清掃のロボット活用を支援し、医療機器の開発では伴走支援を行っています。

会社情報

会社名株式会社Redge(レッジ)
所在地神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-10 Research Gate Building TONOMACHI2 1C
設立2022年5月
代表代表取締役 稲垣大輔
事業医療機器管理教育システム「CeTrax」の開発(一部医療機関で試験導入)、VR教育、医療DX支援、医療機器開発の伴走支援
技術領域医療機器管理、臨床工学、クラウド、VR医学教育
連携神奈川県立保健福祉大学・岡山大学。国立国際医療研究センター病院(2024年1月のベトナムでの事業で連携)
採択LINK-J「アカデミア発メドテックピッチコンテスト」審査員賞。ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2022 アイデア部門グランプリ(代表の稲垣氏)
URLhttps://redge.co.jp/

編集後記|FrontJournal編集部より

医療機器は、導入した時点で役目が終わるのではなく、点検と保守を重ねて初めて安全に使い続けられます。Redgeは、表に出にくいが欠かせない仕事を、臨床工学技士の知見ごと仕組みにして届けようとしている会社です。機器の導入にとどまらず、管理と教育に目を向けた点に、現場を見てきた人ならではの発想を感じました。

学生時代に見たベトナムの病院の光景から、ボランティアを経て事業化へ進んだ経緯も印象に残ります。ボランティアで終わらせず、続く形に作り直す選択です。その選択が、国境を越えた医療の支え方を変えていくのかもしれません。

管理と教育を一体にする仕組みが、現場の機器を止めない。その積み重ねが広がる日を、楽しみに待ちたいと思います。

FrontJournal編集部

出典:「Gビズインフォ」(経済産業省)(2026年10月3日に利用)を加工して作成

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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