2026.11.05 │ 大阪大学・科学技術振興機構(JST) │ 元発表:2026.11.04

大阪大学、植物由来素材だけの構造色フィルムを開発

ニュース紹介

「植物素材100%でタマムシの美しい翅を再現~生分解性構造色フィルムとして世界最高反射率を達成~」

大阪大学 産業科学研究所の春日貴章助教らの研究グループは、植物由来原料のみを用いて、特定波長の光を95%以上反射できる構造色フィルムを開発することに成功しました。この反射率は、生分解性の構造色材料として報告されている中で最も高いとしています。

構造色材料は、色素や染料を使わず、ナノレベル(10億分の1メートルレベル)の微細構造による光の反射で発色します。研究グループは、植物由来の多糖類であるナノセルロースとペクチンを交互に積層し、各層の密度を制御することで、植物素材のみで95%以上の反射率を持つフィルムを実現しました。

本研究成果は、2026年11月4日(日本時間)に、国際科学誌「Advanced Materials」(オンライン)に掲載されました。

出典:大阪大学・科学技術振興機構(JST) 2026年11月4日 共同発表/掲載誌:Advanced Materials/DOI:10.1002/adma.75473
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20261104-2/index.html

FrontJournalの解説

構造色とは

今回の研究は、タマムシの翅のように輝く「構造色」を、植物由来の材料だけで作ったものです。構造色は、色素や染料ではなく、ナノレベルの微細構造が光を反射することで発色します。プレスリリースによると、色あせにくく鮮やかに発色できるため、加飾(装飾)、偽造防止、センサーなどへの活用が期待されています。

課題は材料でした。自然界のタマムシやモルフォ蝶と異なり、人工の構造色材料には化石燃料由来のプラスチックや無機材料が使われており、自然界で分解されにくいため、持続可能性への懸念がありました。

①植物由来の多糖類を交互に積層

研究グループは、植物由来の多糖類であるナノセルロースとペクチンを交互に重ねた多層構造を作りました。このとき、各層の密度を制御することで、植物素材のみで特定波長の光を95%以上反射するフィルムを実現しています。

プレスリリースは、構造色材料は材料とプロセスの制約が強く、生分解性と光の反射性能の両立が困難だったと説明しています。

②期待される用途と今後

研究グループは、この成果が、環境にやさしい加飾、センサー、偽造防止、熱制御材料の分野や、持続可能なフォトニクス(Sustainable Photonics:光を扱う技術を環境負荷の小さい材料で進める考え方)の発展につながると期待しています。

FrontJournalからのひとこと

生分解性と高い反射率を、植物由来の材料だけで両立させた点が今回の特徴です。環境にやさしい加飾やセンサーの材料として、フィルムがどのような形で使われていくのか、注目しています。

FrontJournal編集部

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

この企業の方へ

内容に誤り・更新が必要な点があれば、可能な限り速やかに修正します。お気づきの点はお問い合わせまでご連絡ください。

掲載情報の修正・写真の追加・更新はこちら

プレスリリース原文を読む