2026.07.28
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大阪公立大学・理化学研究所
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元発表:2026.07.27
阪公大・理研、量子多体系の測定で「異常なゆらぎ」が現れることを理論的に発見(FrontJournal解説)
ニュース紹介
「原子検出回数の異常ゆらぎと普遍性の発見」
大阪公立大学大学院理学研究科の山本和樹講師と、理化学研究所開拓研究所の濱崎立資理研白眉研究チームリーダーは、多数の原子からなる量子多体系を連続的に測定した際に、原子の検出回数のゆらぎが測定の強さによって大きく変化することを理論的に明らかにしました。測定が弱い場合には標準的なゆらぎを示す一方で、測定が強い場合には「異常ゆらぎ」が現れることを発見し、測定記録から量子多体物理を読み出す新しい指標を提案しました。
出典:理化学研究所 2026年7月27日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260727_2/index.html
FrontJournalの解説
この研究分野について
たくさんの粒子が互いに影響しあう「量子多体系」は、物質の性質や量子コンピュータの動作を理解するうえで基礎となる対象です。量子の世界では、観測(測定)という行為そのものが系の状態に影響を与えるという、日常の感覚とは異なる性質があります。
近年は、冷却した原子を並べて量子状態を精密に扱う実験技術が発展し、系を連続的に測定しながらその振る舞いを調べられるようになってきました。こうした測定で得られる記録から、系の背後にある物理をどう読み解くかは、基礎物理と量子技術の両面で重要な問いになっています。
①測定の「強さ」でゆらぎが質的に変わる
研究者らは、量子多体系を連続測定したときの原子の検出回数のゆらぎ(ばらつき)が、測定の強さによって質的に変化することを理論的に示しました。測定が弱いときは標準的なゆらぎにとどまりますが、測定が強くなると、通常とは異なる「異常ゆらぎ」が現れます。測定という操作が系にどう作用するかによって、観測される統計そのものが変わることを明確にした点に新しさがあります。
②測定記録から量子物理を読み解く新指標
この異常ゆらぎは、測定記録という実験で得られるデータから量子多体系の性質を読み出す手がかりになります。研究者らは、これを測定の強さに応じた普遍的な性質として位置づけ、量子多体物理を読み解く新しい指標として提案しました。連続測定は量子コンピュータの状態監視などとも関わる基礎的な操作であり、その統計的な振る舞いへの理解が深まることは、量子技術を支える理論の裾野を広げます。
編集部からひとこと
測定という一見あたりまえの操作が、量子の世界では系の統計そのものを変えてしまう——その振る舞いを理論として整理した基礎研究です。すぐに製品につながる話ではありませんが、量子コンピュータや精密計測では「測ること」自体が本質的な問題になります。実験データから物理を読み解く新しい物差しの提案は、地道ながら将来の量子技術の理解を支えるものだと感じます。
本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。
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