2026.09.21 京都大学 元発表:2026.09.10

京都大学ら、変動磁界に強い超伝導SCSCケーブルと巻線技術を開発

ニュース紹介

「超伝導SCSCケーブルと巻線技術を開発―変動磁界に強く脱炭素や核融合応用に期待―」

京都大学大学院工学研究科の雨宮尚之教授、曽我部友輔准教授らは、変動する磁界にさらされたときに生じる損失が小さく、大きな電流が流せ、あらゆる方向に曲げられる高温超伝導集合導体SCSCケーブル」の試作に成功したと発表しました。銅めっきマルチフィラメント薄膜高温超伝導線を24本集合化したケーブルは、設計値で数キロアンペアを流せ、フュージョンエネルギー発電装置超伝導コイル用導体に応用できる水準です。航空機電気推進用モーターを作製できる水準の長さ45メートルのケーブルも試作しました。半径30ミリメートルの巻き芯に33巻きした円形コイルと、曲げ半径25ミリメートルの鞍型コイルの作製・通電にも成功し、試作したコイルで従来比約10分の1の交流損失の低減を確認しました。成果は、米国ピッツバーグで開かれる2026年応用超伝導会議で発表されます。

出典:京都大学 大学院工学研究科 2026年9月10日 研究成果
https://www.t.kyoto-u.ac.jp/ja/research/topics/20260910

FrontJournalの解説

超伝導線が抱える交流損失

高温超伝導線は、電気抵抗がゼロの状態で大きな電流を流せる線材です。ただし、変動する磁界にさらされると、内部で摩擦発熱のような損失が生じます。この損失は交流損失と呼ばれます。また、従来の高温超伝導のテープ線では、モーターなどで必要な立体形状のコイルを巻くことが困難でした。研究グループは、この2つの課題に取り組みました。

①24本を集合化したSCSCケーブル

SCSCケーブルは、銅めっきマルチフィラメント薄膜高温超伝導線を集合化した導体で、あらゆる方向に曲げられます。今回は24本を集合化し、設計値で数キロアンペアを流せるケーブルを試作しました。この電流は、フュージョンエネルギー発電装置の超伝導コイル用導体に応用できる水準です。

②コイルで交流損失を約10分の1に

研究グループは、長さ45メートルのケーブルも試作しました。航空機電気推進用モーターを作製できる水準の長さです。ケーブルを半径30ミリメートルの巻き芯に33巻きした円形コイルと、曲げ半径25ミリメートルの鞍型コイルの作製と通電に成功し、試作したコイルで従来比約10分の1の交流損失の低減を確認しました。

編集部からひとこと

今回の成果は試作の段階であり、核融合発電装置航空機モーターへの実際の搭載時期には言及していません。損失を抑えながら立体形状に巻ける導体という点は、超伝導コイルの用途を広げる要素として注目されます。詳細は京都大学の公式発表をご参照ください。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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