市場課題|蒸留は燃料の負担が大きく、熱に弱い液体を扱いにくい

蒸留は熱と燃料の負担が大きい
液体の混合物を分ける蒸留は、液体を加熱して蒸気にし、沸点の差で成分を分ける方法で、多くの製造工程で使われています。熱源に化石燃料を使う場合は、燃料費と二酸化炭素(CO2)の排出が課題です。蒸留を使う工程では、熱源の燃料費とCO2排出の負担が続きます。
熱に弱い液体は処理しにくい
熱に弱い液体や、沸騰しても組成が変わらない液体は、蒸留では扱いにくい対象です。食品のうま味成分や香料は加熱で変質し得るうえ、共沸混合物(沸騰しても液体と蒸気の組成が同じになる混合液)は、沸点の差を使う通常の蒸留では分けにくく、抽出蒸留などの追加の工程を要します。品質を保ちたい食品や高純度の精製では、工程が複雑になります。
他にも、蒸気を発生させるボイラーの設置と維持の負担、高温の装置を置きにくい病院などでの安全面の制約、水分の多い廃水の処理費、といった課題があるといわれています。
- 共沸混合物沸騰させても液体と蒸気の組成が変わらず、沸点も一定のままとなる混合液を指す。沸点の差を利用する通常の蒸留では成分を分けにくいため、抽出蒸留や共沸蒸留といった別の手法で分離する。


