市場課題|樹脂の原料を石油から植物へ置き換える動きが広がる

脱炭素で石油樹脂が使いにくい
身の回りのプラスチック製品の多くは、石油を原料とする樹脂から製造されています。自動車の内装部品や食品の包装材も同じです。原料の採取から廃棄までの過程で二酸化炭素が発生するため、脱炭素の要請が強い産業ほど、石油由来の樹脂を使い続けにくくなると見込まれます。
分離の工程で価格が下がりにくい
バイオマス(生物に由来する資源)を原料とする素材は、価格が下がりにくい状況です。代表的な木材は、セルロースやリグニン(木の幹を固くしている成分)が絡み合った材料で、従来はこれらを薬品や熱で取り出してから原料に使ってきました。分離の工程に薬品とエネルギーを要するため製造費用がかさみ、石油由来の樹脂と価格で並ぶことが容易ではありません。
他にも、木材を安定して集める調達の難しさ、樹種や部位で生じる成分のばらつき、既存の設備で扱えるかという加工適性の確認、といった課題があるといわれています。
- リグニン木材の細胞壁でセルロースの繊維どうしを接着し、幹を固くしている高分子を指す。芳香環を多く含んで化学的に安定しているため、取り出すには強い薬品や高い温度を要する。






