2026.11.04 │ 京都フュージョニアリング株式会社 │ 元発表:2026.10.29

京都フュージョニアリング、独Focused Energyとレーザー核融合で覚書

ニュース紹介

「日独でレーザーフュージョン発電プラントのエンジニアリングを推進 京都フュージョニアリングとFocused Energy、覚書を締結」

フュージョンエネルギーの基盤技術を開発する京都フュージョニアリング株式会社(本社:東京都大田区、以下KF)は、レーザー駆動型慣性フュージョンエネルギーを開発するFocused Energy GmbH(本社:ドイツ・ダルムシュタット、以下FE)と、日独のフュージョン産業間の協力強化に向けた覚書(MoU)を締結しました。FEは燃料ターゲットの製造から発電プラントの統合設計までを進め、KFはトリチウム燃料サイクル、増殖ブランケット、プラズマ加熱システムなど、フュージョン反応を発電プラントとして成立させるためのシステムのエンジニアリングを担います。

覚書のもと、FEとKF(ドイツ・カールスルーエを拠点とする子会社Kyoto Fusioneering Europe GmbHを含む)は、燃料・ターゲット技術、トリチウム燃料サイクル、極限環境向け材料、計測などの分野での情報交換および共同開発の可能性を検討します。あわせて、ドイツのフュージョン研究拠点との連携や、日独両国での研究・実証・産業分野の機会の発掘、サプライチェーン構築での協力も検討します。FEは2021年にダルムシュタット工科大学のエコシステムから生まれた独米のフュージョン企業で、2030年代半ばまでにドイツ・ビブリスでレーザーフュージョン発電プラントを建設することを目指しています。

出典:京都フュージョニアリング株式会社 2026年10月29日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000072520.html

FrontJournalの解説

レーザー核融合(慣性核融合)の仕組み

「レーザー核融合」は、燃料を詰めた小さな粒に四方から強力なレーザーを当て、一瞬で圧縮・加熱して核融合反応を起こす方式です。磁場でプラズマ(原子核と電子が分かれた高温の気体)を長時間閉じ込める「磁場閉じ込め方式」と並ぶ、もう一つの主要な方式として研究されてきました。米国「ローレンス・リバモア国立研究所」の国立点火施設(NIF)が2022年12月、燃料に投入したレーザーのエネルギーを上回る核融合出力を初めて得たことで、この方式への関心が高まりました。

①発電には反応以外のシステムが欠かせない

核融合で電気をつくるには、反応を起こす技術に加え、燃料を供給・回収する仕組みや、熱を取り出す装置が必要です。燃料の一つであるトリチウム(三重水素)は自然界にほとんど存在しないため、炉の内側を覆う「ブランケット」(反応で出る中性子を受けて熱を取り出し、燃料を生み出す装置)の中で増やす設計が検討されています。原文で「京都フュージョニアリング」が担うと説明された燃料サイクルやブランケットは、こうした発電プラント側の技術にあたります。

②覚書が対象とする協力の範囲

今回の覚書は、「Focused Energy」と京都フュージョニアリングが協力の分野を定め、検討を始める段階の合意です。原文によると、両社は燃料・ターゲット技術や極限環境向け材料などで情報交換と共同開発の可能性を探り、ドイツの研究拠点との連携でも子会社「Kyoto Fusioneering Europe」を中心とした協力を検討します。「Focused Energy」は2030年代半ばまでにドイツ・ビブリスで発電プラントの建設を目指しており、覚書の技術協力もレーザーフュージョン発電プラントに関わる分野を対象としています。

FrontJournalからのひとこと

核融合の話題は反応の成否に注目が集まりがちですが、今回の覚書は、燃料や熱を扱うプラント側の技術を早い段階から組み合わせる動きです。現時点は共同開発の可能性を検討する段階であり、どの分野から具体的な協力に進むのかを、今後の発表で追っていきます。

FrontJournal編集部

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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