2026.09.21 東京大学 元発表:2026.09.08

東京大学ら、量子誤り訂正の結果の信頼度を判定する手法を提案

ニュース紹介

「量子誤り訂正は「揺さぶり」に反応するか?―訂正結果の信頼度を判定する手法を提案―」

中国工程物理研究院大学院のHaipeng Xie博士課程学生とYing Li教授、東京大学素粒子物理国際研究センターの吉岡信行准教授、東京大学大学院工学系研究科の坪内健人博士課程学生らは、量子誤り訂正の結果の信頼度を判定する手法を提案したと発表しました。復号アルゴリズムの重み付けを変えて再度処理を実行し、訂正結果が安定しているかを調べる「解候補再重み付け法(AR法)」です。BB符号では、約7万回に1回の計算結果を除外することで、論理誤り率60分の1以下に減らせることを示しました。成果は科学誌Physical Review Lettersに掲載されています(DOI: 10.1103/sv11-f78l)。

出典:東京大学 2026年9月8日 プレスリリース/掲載誌:Physical Review Letters
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2026-09-08-002

FrontJournalの解説

量子計算で避けられない誤り

量子コンピュータの計算は、外部の雑音などで誤りが入りやすい性質があります。量子誤り訂正は、複数の量子ビットに情報を分散させ、誤りを検出して直す仕組みです。誤りの場所を推定する処理を復号と呼び、その結果が本当に正しいかを見分けられれば、計算全体の信頼性を高められます。

①重みを変えて再計算する

AR法は、復号アルゴリズム重み付けを変更して、再度復号を実行します。重みを少し揺さぶっても訂正結果が変わらなければ安定した結果、変わってしまえば信頼度が低い結果と判定します。研究グループは、量子誤り訂正符号の一種であるBB符号でこの手法の効果を確かめました。

②約7万回に1回を除外して誤りを60分の1以下に

BB符号を使った検証では、約7万回に1回の計算結果を除外することで、論理誤り率60分の1以下に下げられることを実証しました。除外する割合を極めて小さく抑えながら、誤りを大きく減らせる点が特徴です。量子計算、量子通信、量子暗号、量子センシングなど、幅広い量子情報処理の高精度化につながると期待されています。

編集部からひとこと

今回の成果は理論的な提案数値による検証であり、実機での実証や実用化の時期には言及していません。誤りを直すだけでなく、直した結果を信頼してよいかを判定するという視点は、大規模な量子計算を支える技術として注目されます。詳細は東京大学の公式発表およびPhysical Review Letters掲載論文をご参照ください。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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