2026.09.18 理化学研究所 元発表:2026.09.17

理化学研究所ら、植物ホルモンで働く細胞の安全スイッチを開発

ニュース紹介

「細胞治療をより安全にする仕組み」

理化学研究所産業技術総合研究所九州大学の共同研究グループは、植物ホルモンであるオーキシンの誘導体(5-Ad-IAA)を使って細胞死を人工的に誘導する新しい「安全スイッチ」AuxiCasp9を開発したと発表しました。1nMの5-Ad-IAA処理で約80%の細胞死誘導を達成し、細胞毒性は確認されませんでした。既存スイッチiCasp9と併用した場合も、両者が独立して機能し二重の安全装置として働くことを実証しています。

出典:理化学研究所 2026年9月17日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260917_1/index.html

FrontJournalの解説

細胞治療の「安全スイッチ」とは

CAR-T療法などの細胞治療では、体内に投与した細胞が予期しない働きをした場合に、その細胞だけを取り除ける仕組みが求められます。「安全スイッチ」は、特定の薬剤を投与したときだけ、狙った細胞にアポトーシス(細胞の自発的な死)を起こさせる技術で、細胞治療の安全性を高める重要な要素技術です。

①植物由来の仕組みで動物細胞に干渉しにくく

従来の安全スイッチであるiCasp9RapaCasp9は、動物由来のたんぱく質を利用する薬剤を使うため、体内の他の生体システムと干渉する可能性がありました。今回開発されたAuxiCasp9は、植物ホルモンのオーキシン誘導体で動作する仕組みを採用しており、動物のシステムとは干渉しにくいという特徴があります。

②細胞毒性なしで高い制御性を実証

既存スイッチのRapaCasp9は90%以上の細胞死誘導を達成する一方、40%の細胞毒性が確認されていました。今回のAuxiCasp9は、1nMの5-Ad-IAA処理で約80%の細胞死誘導を達成しつつ、細胞毒性は確認されませんでした。さらに、既存のiCasp9と併用した場合も互いに独立して機能し、二重の安全装置として働くことが実証されています。

編集部からひとこと

今回の成果は基礎研究段階であり、発表内容に臨床応用の時期への言及はありません。細胞治療の安全性を高める要素技術は、CAR-T療法など実用化が進む細胞治療分野の基盤技術として今後の展開が注目されます。詳細な実験データは理化学研究所の公式発表をご参照ください。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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