2026.09.16 理化学研究所 元発表:2026.09.15

理化学研究所、覚醒・睡眠・麻酔下の神経活動データを公開

ニュース紹介

「覚醒・睡眠・麻酔下の世界最大規模の神経活動データ公開」

理化学研究所脳神経科学研究センター触知覚生理学研究チームの村山正宜チームディレクター、大本育実研究員、東京大学大学院総合文化研究科の大泉匡史准教授、清岡大毅氏(研究当時 博士後期課程)らの共同研究チームは、覚醒・睡眠・麻酔下で記録した大規模な神経活動データを公開したと発表しました。

研究チームは、広視野2光子顕微鏡を用いた2光子カルシウムイメージング法で、マウス大脳皮質第2層の神経細胞の活動を記録しました。7個体のマウスから、1万個規模の神経細胞の活動データを、覚醒・睡眠(レム睡眠・ノンレム睡眠)・イソフルラン麻酔下で取得しています。

公開したデータには、広視野2光子顕微鏡画像、神経細胞ごとの活動データ、脳波、筋電図、細胞位置情報、大脳皮質領域情報が含まれます。公開先はCBS Data Sharing Platform(DOI: 10.60178/cbs.20260708-001)です。研究チームは、異なる解析手法の比較、新しい解析手法やAIの開発の検証、分野横断的な共同研究の創出を期待するとしています。本成果は国際学術誌『Scientific Data』に2026年9月10日付で掲載されました。

出典:理化学研究所 2026年9月15日 プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2026/20260915_1/index.html

FrontJournalの解説

この研究分野について

脳の働きを調べる研究では、神経細胞が活動したときの信号を1個ずつ測ります。よく使われる2光子カルシウムイメージング法細胞内のカルシウムの変化を蛍光で捉える観察法)では、生きた動物の脳を顕微鏡で観察しながら、多数の細胞の活動を同時に記録できます。

神経細胞の活動は、覚醒しているときと、眠っているとき、麻酔がかかっているときで変わります。状態ごとの違いを比べるには、同じ条件で測った大量のデータが必要です。

①比較の土台となるデータが不足

大規模神経活動データの取得と解析は、装置も手間もかかるため容易ではありません。研究室ごとに測り方が異なると、解析手法どうしを突き合わせることも難しくなります。

脳の状態による違いを論じるための共通の基準となるデータが、分野全体として不足していました。

②7個体1万細胞規模を4状態で記録

研究チームは、広視野2光子顕微鏡を使い、マウス大脳皮質第2層の神経細胞の活動を記録しました。7個体のマウスから1万個規模の神経細胞のデータを、覚醒・レム睡眠・ノンレム睡眠・イソフルラン麻酔下の4つの状態で取得しています。

公開データには、顕微鏡画像と細胞ごとの活動に加え、脳波、筋電図、細胞の位置、大脳皮質の領域情報が含まれます。研究チームは、解析手法の比較や、新しい解析手法やAIの開発を検証する土台になるとしています。

編集部からひとこと

研究データの公開は、論文1本の成果よりも地味に見えますが、同じデータを多くの研究者が解析できる状態にする意味は大きいといえます。脳の状態と神経活動の関係は解析手法によって結論が分かれやすい領域です。共通の土台ができることで、手法そのものの検証が進むと考えられます。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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