2026.10.03 │ 日本小動物医療センターほか │ 元発表:2026.09.30

日本小動物医療センターら、犬のメラノーマに抗PD-1抗体の企業治験

ニュース紹介

「犬の口腔内悪性黒色腫(メラノーマ)に対する抗イヌPD-1抗体の企業治験を3施設で開始」

公益財団法人日本小動物医療センター(埼玉県所沢市)、国立大学法人山口大学共同獣医学部、かもがわ動物医療センター(京都市)は、日本全薬工業株式会社と連携し、犬の口腔内悪性黒色腫(メラノーマ)に対する「抗イヌPD-1抗体」の企業治験を開始します。

本治験は、動物用医薬品としての承認を目指して行われる企業治験で、日本小動物医療センター附属日本小動物がんセンター、山口大学共同獣医学部附属動物医療センター、かもがわ動物医療センターの3施設で実施されます。

2017年から獣医師主導の臨床研究を始め、進行した口腔内悪性黒色腫の犬150頭を対象とした前向き臨床研究の結果は、2026年に国際的な学術誌「Journal for ImmunoTherapy of Cancer」に掲載されました。抗イヌPD-1抗体は現時点で承認を取得していない開発中の薬剤で、本治験で有効性と安全性を評価します。

出典:公益財団法人日本小動物医療センター 2026年9月30日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000190324.html

FrontJournalの解説

この研究分野について

発表資料によると、犬の約18%、猫の約20%が悪性腫瘍で亡くなっています。犬の口の中にできる悪性黒色腫は悪性度が高く、肺などへ転移しやすい腫瘍の一つです。

手術や放射線治療が中心ですが、進行例や再発例では有効な全身治療がありませんでした。人の医療では、がんへの免疫の「ブレーキ」を外す抗PD-1抗体が使われていますが、人用の薬を犬にそのまま使うことはできません。

①犬専用に作った抗体

今回の治験薬は、犬で使うことを前提に開発された抗体です。山口大学共同獣医学部の研究グループと日本全薬工業を中心に、長年にわたって研究が進められてきました。

山口大学の発表によると、150頭の臨床研究では進行期の悪性黒色腫で16.7%の最良総合奏効率を確認し、副作用の多くは軽度で管理できたとしています。治療前の血液の炎症マーカーが高いと効きにくい傾向も見つかっています。

②承認に向けた治験へ

企業治験は、定められた治験実施計画書に基づいて行われます。得られたデータは、将来製造販売承認を申請する際の資料に使われる予定です。

対象は条件を満たした口腔内悪性黒色腫の犬で、2週間に1回、計6回の来院が必要です。参加を希望する場合は、まず普段かかっている動物病院の獣医師から実施機関へ相談することを勧めています。

編集部からひとこと

大学の研究から始まった抗体が、動物用医薬品の承認を目指す段階に進みました。犬のがん治療に新しい選択肢が加わるかどうか、治験の結果に注目します。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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