使用済み電池から資源を取り戻す「電池リサイクル」を研究【Redwood Materials|米国発】
電気自動車と蓄電池の普及にともない、重要鉱物の確保が世界で難しくなっています。この課題に挑むのが、米国のレッドウッド・マテリアルズ(Redwood Materials)です。同社は使用済みの電池から資源を取り戻し、新しい電池材料に戻す電池リサイクルを手がけています。2026年1月には、シリーズEで約4億2,500万ドル(約640億円)を調達しました。
電気自動車と蓄電池の普及にともない、重要鉱物の確保が世界で難しくなっています。この課題に挑むのが、米国のレッドウッド・マテリアルズ(Redwood Materials)です。同社は使用済みの電池から資源を取り戻し、新しい電池材料に戻す電池リサイクルを手がけています。2026年1月には、シリーズEで約4億2,500万ドル(約640億円)を調達しました。
電池の需要は、2020年から2025年までに導入量が6倍以上へ拡大しました。IEAによると、2024年に年間需要は初めて1テラワット時を超え、約85%が電気自動車向けです。この勢いが続けば、リチウムやコバルトの確保は国をまたぐ調達競争になります。
電池に使う重要鉱物は、精錬の工程が一部の国に集中しています。IEAの集計では、リチウムとコバルトの精錬は約6割、黒鉛とレアアースは9割超を中国が担っています。精錬が滞れば、鉱石を確保していても電池の部材をつくれない事態が起こります。
Redwood Materialsは、使用済みの電池から資源を取り戻す電池リサイクルを手がけています。2017年にテスラの共同創業者であるJB・ストラウベル氏が創業し、拠点は米国ネバダ州スパークスにあります。
同社の工程では、電池に含まれる金属を種類ごとに取り戻せます。使用済みの電池パックや製造工程で出た端材を回収し、含まれる金属を分離します。回収率はリチウムで80%以上、ニッケル・コバルト・アルミ・黒鉛で95%以上です。同社はこの工程により、電池の原料を米国内で確保しています。
取り戻した資源は、電池の材料まで一貫して生産されます。同社は正極材と負極材を自社で製造し、電池メーカーへ供給しています。回収量は年間で約20ギガワット時分、材料の生産量は約6万トンです。原料から材料までの距離が縮まり、調達の見通しが立てやすくなります。
役目を終えたEV用の電池は、二次利用(セカンドライフ)として蓄電設備に使えます。同社は再利用した電池で、出力12メガワット・容量63メガワット時の電力設備を2025年6月に稼働させました。この設備は「Crusoe Spark」のAIデータセンターへ給電し、約99.2%の稼働率を保っています。2026年には、この設備を出力20メガワットへ拡張する計画が承認されました。
同社が目指すのは、電池の材料が米国内で回り続ける状態です。回収した資源が再び電池になれば、新しく採掘する量を抑えられます。同社は2030年に年500ギガワット時分の材料生産を掲げていますが、これは達成を約束した数値ではありません。材料が米国内で循環すれば、電池の価格や供給は海外の情勢に左右されにくくなります。
Redwood Materialsは2026年1月に、シリーズEで約4億2,500万ドル(約640億円)を調達しました。Eclipseが主導し、Alphabet傘下のGoogleが新たに加わりました。この調達により、企業価値は約60億ドル(約9,000億円)超と報じられています。資金の裏づけを得て、電池リサイクルは資源を供給する産業へ育つ段階に入ります。
電池の需要が拡大するなかで、Redwood Materialsは使用済みの電池を資源として扱っています。回収から材料の生産までを一貫して担い、役目を終えた電池はAIデータセンターの電源にも生かされています。資源の確保と脱炭素の両立という課題は、日本にも共通します。日本でも都市鉱山という考え方のもと、使用済み製品から資源を取り戻す動きが続いています。FrontJournal編集部は、電池リサイクルが資源の安定した供給先に育つことに期待しています。
※ 本記事は各社の公式発表・主要報道をもとに、FrontJournal編集部が再構成したものです。数値は各社・各媒体の公表値です。ドルの円換算は1ドル=約150円で概算しています。
主な出典:Redwood Materials 公式(Materials/ニュースリリース)、Recycling Today、Bloomberg、IEA(Global Critical Minerals Outlook 2026/Battery Circularity)、欧州特許庁(EPO)。
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