2026.10.09 │ 株式会社セルファイバ │ 元発表:2026.10.08

セルファイバ、細胞ファイバ製造装置「Zeito」を日米で販売開始

ニュース紹介

「セルファイバ、再生医療向け細胞製造を支援する細胞ファイバ製造装置「Zeito™シリーズ」を日米で正式販売開始」

株式会社セルファイバ(東京都江東区、代表取締役社長:古石和親)は、2026年10月8日より、細胞ファイバ製造装置「Zeito™(ゼイト)シリーズ」2製品の正式販売を日本と米国で同時に開始したと発表した。「Zeito™ Plus 細胞カプセル化システム」は、再生医療等製品向け細胞の大量生産を目的に開発されたGMP対応の装置で、日本医療研究開発機構(AMED)と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を受けて研究開発された。GMP準拠の大量培養を想定して設計し、製造プロセスの安定化・効率化と製造時間の短縮を図るという。「Zeito™ Lite 細胞カプセル化システム」は、基礎研究や初期のプロセス検討に使う研究初期段階向けの卓上型装置である。

同社のCellFiber®技術は、アルギン酸ゲルでチューブ状の構造を作り、その内部に細胞を包み込んで保護するカプセル化技術で、従来法と比べて細胞機能の維持・向上、長期間の生存性、品質の均一性が期待されるとしている。同社は2025年12月にGMP対応細胞ファイバ製造装置を発表し、2026年5月に製品ブランド名を「Zeito™」に決定、同年10月1日には米国ペンシルベニア州フィラデルフィアに米国法人CellFiber, Inc.のオフィスとラボを開設した。今後は製薬企業、バイオテクノロジー企業、CDMO、研究機関との連携を深め、製品提供に加えて技術導入支援、プロセス開発、共同研究開発を進めるという。

出典:PR TIMES(株式会社セルファイバ) 2026年10月8日 プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000067783.html

FrontJournalの解説

この分野について

再生医療は、病気やけがで失われた組織や機能を、細胞を使って補ったり回復させたりする医療です。治療に使う細胞は、工場で作る化学合成の薬とは違い、生きた細胞を培養して増やす工程が欠かせません。細胞の状態は培養の条件で変わりやすく、品質をそろえたまま量を増やすことが、製造の大きな課題とされています。

製造工程が複雑なぶん、製造コストも高くなりがちです。発表でも、製造工程の複雑さと高額な製造コストが、患者が治療を受けにくい要因になっていると指摘しています。細胞を安定して効率よく作る技術は、治療の普及を左右する基盤技術として各国で開発が進んでいます。

①細胞をゲルのチューブで包んで守る

細胞ファイバは、アルギン酸(海藻に含まれる多糖類)のゲルで作った細いチューブの中で細胞を育てる仕組みです。アルギン酸ゲルは体にやさしい材料として医療や食品の分野で広く使われてきました。細胞を大きな容器で浮かせて培養すると、液をかき混ぜる力などの物理的な負荷が細胞にかかります。チューブで包めば、こうした負荷から細胞を守りながら培養できると考えられます。この技術の源流は、東京大学生産技術研究所の研究グループが2013年に発表した細胞ファイバの研究にあります。

②研究用と製造用の2機種で段階をつなぐ

細胞を使う治療薬の製造では、GMP(医薬品を一定の品質で作るための製造管理と品質管理の基準)に沿った設備と手順が求められます。研究室で確かめた培養方法を、そのままGMPの製造現場へ移すのは簡単ではありません。今回の2製品は、卓上型のZeito™ Liteで基礎研究や初期の条件検討を行い、Zeito™ PlusでGMP準拠の大量培養へ進むという、開発段階に応じた使い分けを想定した構成です。同社は連携先としてCDMO(医薬品の開発と製造を受託する企業)も挙げています。

編集部からひとこと

細胞を使う治療は、研究の成果が出ても、同じ品質の細胞を必要な量だけ作れるかが実用化の関門になります。今回の発表は、大学発の培養技術を装置として製品化し、日本と米国で同時に販売を始めた点に意味があります。製薬企業や受託製造の現場でどのように採用されていくのか、細胞製造の工程を支える技術の動きとして注目したい発表です。

FrontJournal編集部

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本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

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