2026.10.27 │ 理化学研究所 │ 元発表:2026.10.27

慶應義塾大学ら、金星大気「スーパーローテーション」の長期変動を再現

ニュース紹介

「金星大気「スーパーローテーション」の長期変動を再現~データ同化技術により断片的な雲頂の観測から大気の3次元構造を推定~」

慶應義塾大学自然科学研究教育センターの藤澤由貴子研究員、同大学法学部の杉本憲彦教授、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の村上真也主任研究開発員、神戸大学、京都産業大学、東京大学、北海道大学、京都大学、理化学研究所計算科学研究センターの三好建正チームプリンシパルらの研究チームは、金星大気データ同化システム「ALEDAS-V」を用いて、金星の大気が自転より速く周回する「スーパーローテーション」の長期的な風速の変動を再現しました。

あわせて、観測のない高度も含めた大気の3次元構造を推定しました。データ同化技術により、断片的な雲頂の観測から大気の3次元構造を推定しています。論文のDOIは10.1038/s44453-026-00061-wです。

出典:慶應義塾大学・神戸大学・京都産業大学・東京大学・北海道大学・京都大学・理化学研究所 2026年10月27日 プレスリリース(DOI: 10.1038/s44453-026-00061-w)
https://www.riken.jp/press/2026/20261027_1/index.html

FrontJournalの解説

スーパーローテーションとは

今回のテーマは金星の「スーパーローテーション」(惑星の自転より速く大気が周回する現象)です。プレスリリースによると、金星の大気は自転より速く周回しており、研究チームはその長期的な風速の変動を再現しました。

雲に覆われた金星では、観測できるのは雲頂(雲の上端)の風が中心です。観測が断片的なため、大気全体がどう動いているかは直接は分かりません。

①「データ同化」で観測の空白を埋める

研究チームが使った「データ同化」(観測データを数値シミュレーションに取り込み、大気の状態を推定する技術)は、天気予報でも使われる考え方です。金星大気データ同化システム「ALEDAS-V」により、断片的な雲頂の観測から、観測のない高度も含めた3次元構造を推定しました。

②風速の「長期変動」を再現

今回の成果は、金星の風速が長い時間でどう変わるかを再現した点にあります。変動の様子を再現できたことで、スーパーローテーションを保つ仕組みを調べる手がかりが増えます。詳しい手法と結果は、慶應義塾大学のウェブサイトと論文に掲載されています。

編集部からひとこと

雲頂しか見えない金星では、観測だけで大気の全体像をつかむのは難しい状況でした。データ同化で観測の空白を埋め、風速の長期変動まで再現できたことは、他の惑星の大気を調べる方法としても参考になります。今後の研究の広がりに注目したい成果です。

FrontJournal編集部

プレスリリース原文を読む

本記事は、FrontJournalが公開情報をもとに独自に分析した第三者コンテンツであり、対象企業・研究機関の公式見解ではありません。

この企業の方へ

内容に誤り・更新が必要な点があれば、可能な限り速やかに修正します。お気づきの点はお問い合わせまでご連絡ください。

掲載情報の修正・写真の追加・更新はこちら