ニュース紹介
「ミトコンドリアを“薬”として届けるナノカプセルの開発に成功」
北海道大学大学院薬学研究院の山田勇磨教授らの研究グループは、同大学大学院工学研究院、大学院医学研究院、総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点との連携のもと、ケンブリッジ大学、東京農工大学大学院工学研究院生命工学部門および北海道医療センターとの国際共同研究により、ミトコンドリア成分を細胞内へ送達するナノカプセル「Trans MIT」を開発したと発表しました。ミトコンドリアは細胞のエネルギー産生を担う細胞小器官であり、その機能低下はさまざまな疾患や細胞機能異常と関連しています。ただし二重膜構造を持つため、外来分子を効率的に導入することは困難とされてきたとしています。本研究では、ミトコンドリア成分をナノカプセルに封入して細胞内へ送達する手法を構築しました。Trans MITを培養細胞に適用した結果、ミトコンドリア呼吸活性(酸素消費速度)の上昇および細胞内エネルギー代謝の活性化が確認されたとしています。代謝解析では、TCA回路やATP産生に関連する代謝経路の活性化が示唆され、ミトコンドリア機能の変化が細胞全体の代謝状態に影響を与えることが示されました。研究グループは、遺伝子導入による細胞改変とは異なる細胞機能改変技術の可能性を示すものであり、細胞機能制御や再生医療への応用が期待されると説明しています。成果は2026年8月19日(現地時間)付でMaterials Today Advances誌にオンライン掲載されました。
出典:科学技術振興機構(JST)・北海道大学 2026年8月20日 プレスリリース
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20260820-6/index.html



